【小橋川慧通信員】昨年、エイサー公演で多くの観客の心をつかんだ「大阪・からだとこころの出会いの会」(通称「からころ」、松井洋子代表)のメンバー70人(3~70歳)が、今年も10日、トロント日系文化会館に戻ってきた。今回は「沖縄のリズム・エイサー」と「銀河鉄道の夜の世界」がテーマ。迫力のある太鼓の音、躍動感あふれる踊り、響く歌声、そして幻想的なパフォーマンスは、満席の観客に感動を与えた。

大きな拍手が起きた子どもたちと獅子舞が競演したステージ=トロント日系文化会館

 演舞は、琉球王朝から伝わる古典の楽曲をベースにした獅子舞と龍舞で開幕。続いて、原作宮沢賢治、脚色松井洋子さん、音楽は松井学さんによるミュージカル「銀河鉄道の夜」から7曲が、エイサーと屋良衣織さん(嘉手納出身)の朗読で披露された。7曲には他楽器とともに沖縄の三線が入っており、出演者全員が賢治愛用のポーラーハットを着用。

 伝統的エイサーの部は童謡エイサー「じんじん」で開幕、「安里屋ユンタ」「テンヨー節」、そしてエイサーのトリの定番「唐船ドーイ」と続いた。「イーハトーブ」は宮沢賢治の理想郷、世界中に「イーハトーブ」が実現することを祈念した松井学作曲による「イーハトーブのカーニバル」で締めくくった。

 松井代表は宮沢作品について、「地球に住む私たちは限りある資源を上手に使い、みんなの幸せを考え、共存共栄をめざそうという世界観、『宇宙船地球号』があった」と強調。東日本大震災をきっかけに、この世界観を見直し、「『皆の本当の幸せとは何か』を自問自答してきた。この問いをテーマにした岩手県出身の宮沢の『銀河鉄道の夜』に巡り合い、共感した」と語った。

 「銀河鉄道の夜」をエイサーへと駆り立てたことを「『チャンプルー文化』の手法で、いろいろな要素を取り入れ、創作エイサーを14年間作り続けている。東北の大震災の復興作業はなかなか進まないのが現実。そんな中、私は東北のことを忘れないために、東北の文化『銀河鉄道』と沖縄の文化『エイサー』とを融合したかった」と説明した。

 公演を見た東京出身の女性は「2020年東京五輪の演目が星空を舞台にエイサーのマスゲームになれば」と期待を込めた。ボブ当山前県人会会長は一言「ファンタスティック」とステージを称賛した。