「子供たちが健康に生活できるように」。お母さんたちは笑顔でそう答えた。現在、私はブルキナファソの首都ワガドゥグーからバスで2時間半の町ボロモで地域の衛生環境に関わる活動を行っている。

地元の住民グループと朝の清掃作業に参加する森さん(中央)=ボロモ市役所前

 ブルキナファソ 面積27万4200平方キロメートル。人口1750万人、首都ワガドゥグー。主要産業は農業(クリ、トウモロコシ、タロイモ、綿、牧畜)。1人当たりの国民総所得(GNI)570米ドル(2011年・世銀)

地元の住民グループと朝の清掃作業に参加する森さん(中央)=ボロモ市役所前  ブルキナファソ 面積27万4200平方キロメートル。人口1750万人、首都ワガドゥグー。主要産業は農業(クリ、トウモロコシ、タロイモ、綿、牧畜)。1人当たりの国民総所得(GNI)570米ドル(2011年・世銀)

 ブルキナファソと聞いて、ぴんとくる人はそう多くはないだろうが、日本人が普段食べているゴマの輸出国の一つである。しかし内陸国という立地条件や厳しい気候などが影響して、いまだに世界最貧国の一つともいわれている。生活は楽ではないが、貧しくても思いやりを忘れずに、たくましく生きる人々から日々学ぶことは多い。また家族やコミュニティーの絆の強さやおおらかな国民性は故郷の沖縄と似ており、彼らとの日々の生活に居心地の良さを感じている。

 現在ブルキナファソ国内で問題になっているのがごみだ。道端に無造作に捨てられ、行き場を無くしたごみが景観だけでなく人々の生活環境に悪影響を及ぼしている。国内のごみの回収・処理システムは不十分であり、一般的にごみに関する意識も低い。加えて住民の多くはごみのポイ捨てはいけない事だという認識があるものの、実践に至っていないケースが多い。人々の習慣を変えることは容易ではなく、言葉や文化の壁にぶち当たりながら試行錯誤の日々が続いている。

 そんな中、町ではこれを問題視した地域住民が無償で毎朝清掃活動を行っており、特に女性たちの参加が目立つ。まだ街が寝静まっている薄暗い中、女性たちはほうきを片手に、時に乳飲み子を背中に抱えながら働き始める。決して楽とはいえないこの活動に参加する彼らのモチベーションは、子供たちが少しでもよい環境で育ってほしいという親心だ。国籍や言語は違っても、親が子を思う気持ちは万国共通で、子供の話をするお母さんたちのまなざしは温かく、聞き手である私まで笑顔になる。

 地域の人たちがごみに関心を持ち、衛生的で健康な生活を送るために自発的に考え行動できるような環境を根付かせることが、今後の私の目標だ。

 もり・はなこ 那覇市出身、大学卒業後、製薬会社で5年間働いた後、イギリスの大学院で開発学の修士課程に進学。大学院を修了後、青年海外協力隊に参加。2013年10月から2年間ボロモ市役所に派遣中。