暑い夏を盛り上げる夏の甲子園は、県代表の沖縄尚学高校が初戦を突破した。練習の成果を発揮し、球場を駆ける選手の姿に胸が躍る。スタンドからの声援も彼らのモチベーションを高め、勝利への情熱をかき立てる

 ▼1点を争う緊迫した試合となれば、マウンドで一人投げ続ける投手は援軍のバットの快音に奮い立つ。くじけそうになる心を支えるのは、共感者であり味方の存在だ

 ▼炎天下、名護市辺野古への新基地建設に反対し、ひと月以上も米軍ゲート前で座り込みを続ける人々にも18日、やっと大量の援軍が現れた。「島ぐるみ会議」の168人がバス3台で那覇から駆けつけた

 ▼連日、強烈な日差しの下で仲間を鼓舞し、唇がただれた平和運動センターの山城博治議長の声にも力が入った。「皆さん! 我々と一緒に声を上げましょう」。巨大な国家権力を前に、ともすれば弱気になりかける心に勇気を注いだ

 ▼同じ日、沖縄防衛局は掘削作業に着手し、青い海の底に杭(くい)を突き立てた。だがこれは序盤戦。これから山を削り、ごう音を上げて大量の土砂で多くの命を生き埋めにする

 ▼基地だらけの小さな島に、今また新たな基地を造る工事は「観光立県」の入り口となる空港整備の工事とは全く違う。心の漠たる違和感を何らかの形で示せば、勇気の輪が広がっていく。(儀間多美子)