10月から政府の輸出物品販売場制度(免税店制度)が変更され、化粧品や食品、飲料、薬品などが新たに免税対象に加わるのを前に、百貨店のリウボウインダストリー(糸数剛一社長)とショッピングセンターのイオン琉球(坊池学社長)が外国人客向けのサービス強化に乗り出している。沖縄を訪れる外国人観光客が急増する中、買い物しやすい環境整備を急ぎ、売り上げ拡大を狙う。(座安あきの)

免税専用カウンターで払い戻しの手続きを受ける外国人客=15日、那覇市・久茂地、デパートリウボウ1階

 那覇市久茂地のデパートリウボウは1階の正面玄関入り口にこのほど、消費税免税分の払い戻しが受けられる専用カウンターを開設した。今年に入って、アジア地域を中心にした外国人観光客の来店が急激に増え、3月には店内の免税取扱高が前年同月比4倍に増加。4月以降は月800件程度、月間平均2・5倍のペースで前年実績を上回っており、10月からの制度改定に合わせて地下1階の食品売り場にも免税カウンターを増設して対応する。

 リウボウでは10月からホームページを英語、中国語、韓国語で表記し、館内で配布している「お買い物ガイド」も多言語対応に変更していく計画。同社の我那覇学常務は「外国人客の全体に占める割合はまだ1・5%程度だが、その分大きく伸びる余地が十分ある。受け入れ体勢を整えて、地元客、外国人客それぞれにとって快適な売り場をつくりたい」と話した。

 イオン琉球は、外国人客の利用が特に多い北谷の大型ショッピングセンターで10月からサービスカウンターの一角を免税手続き専用の窓口にして利用客の増加に対応する。2015年春までにイオン全店に免税手続き窓口を設ける予定。

 同社は先月から外国人客に免税価格に近い価格で買い物してもらおうと、沖縄県内のホテルや観光協会に設置しているパンフレットを通して5%の割引クーポンを配布。免税制度変更に先行して需要の取り込みを進めている。

 さらに北谷店では、4月から外国人客が効率よく買い物ができるように売り場のレイアウトを変更した。アジア客の利用が多いドラッグストアに隣接する売り場に、化粧品やマグボトル、キッチン用品、土産品など人気の商品を集約。売り場変更の効果もあっって、北谷店全体の4~8月の売り上げは前年同期比10%以上伸びているという。ほかの店舗でも外国人客の需要に応じて売り場を変更していく方針。

 県内の小売各社では免税制度拡大に向け、売り場担当者向けに手続き方法などについて講習会を開くなどして体制を整えている。