米軍基地周辺で繰り広げられる光景に、考え込んでしまうという人も少なくないだろう。宜野湾市の普天間飛行場のゲートや新基地建設の準備が進む名護市辺野古の周辺で、県民の声を日米両政府が力で押さえ込もうとしている

▼先日開かれたシンポジウム「沖縄国際大学米軍ヘリコプター墜落事件10年 問われる沖縄アイデンティティとは何か」には多くの人が集まった。予定の時間を大幅に超えて議論が続いたが、途中で席を立つ人は少なかった

▼シンポの後、「今、自分にできることは何か、考えたい」という声が聞かれた。基地問題は政治問題、思想の問題と思われがち。だが「シマを守る意識を持って」それぞれ自分の判断で歩んできた登壇者の声から、基地とどう向き合うかは、人としていかに生きるかの問題-と再確認したのではないだろうか

▼同大への米軍ヘリ墜落10年に合わせた写真パネル展の会場では、親に連れられた小中学生が展示に見入っている姿もあった

▼さらに友達を連れてきた子どももいたという。伝えたい、という親の思いが子の中に生きたようで頼もしい

▼基地問題は、今すぐには解決はしないだろう。先輩たちから何を受け継ぎ、後から来る者たちに何を手渡すのか、そのためにどう意思表示していくのか。私たち一人一人の生き方が、問われる。(安里真己)