高血圧とは収縮期血圧が一四〇mmHg(ミリ水銀)以上または拡張期血圧が九〇mmHg以上に保たれた状態です。高血圧の9割以上は原因が特定できない本態性高血圧です。その背景には遺伝的体質に加齢、塩分の過剰摂取、肥満、飲酒、喫煙、その他の生活習慣要因等が複合的に重なっています。

 残りの1割未満が腎臓や内分泌等の病気が特定でき、二次性高血圧と呼ばれます。日本人では40歳以上男女で約55%が高血圧です。我が国の高血圧の患者数は3千万人以上といわれていますが、現在治療中の患者は約700万人で、多くの方が未治療です。血圧が高くても自覚症状がないからと、放っておく方も多いと思われます。

 高血圧が続くと、血管が傷つき、動脈硬化が促進され、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、腎機能低下等が起こります。また高い血圧で血管が裂けると脳出血、くも膜下出血が突然起こります。両親がそろって高血圧の場合、その子が高血圧になる確率は約50%、親のうち1人が高血圧の場合は約30%というデータがあり、遺伝性があるのは確かですが、生活習慣を改善する事により血圧が低下することも事実です。

 食事療法で最も注意すべきは塩分の取り過ぎです。日本人の食塩摂取量は1日平均12グラム。高血圧治療のガイドラインでは1日6グラム以下を推奨しています。加工食品のかまぼこ、パン、バター等にも塩分が含まれているのを考えると、塩、しょうゆ等の形で使える量は多くは有りません。

 皮下より内臓に脂肪がつく内臓脂肪型肥満が血圧の上昇と深い関係があります。肥満の人が1キログラム減量すると、血圧は約2ポイント下がります。適度な飲酒量はアルコールで1日男性20~30ミリリットル以下、女性で10~20ミリリットル以下(男性でビール中瓶1本、泡盛、焼酎なら水または湯割りで2杯、ウイスキーダブル1杯、日本酒1合、ワイングラス2杯程度に相当します)。

 運動は心血管病のない患者が対象で、中程度の強度の有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上目標に)行います。治療はリスクの程度により生活習慣改善指導だけで始める場合と、最初から降圧剤を併用する場合があります。

 家庭血圧と診察室血圧との差がある場合は家庭血圧が優先されます。正確な家庭血圧を測定するには、朝夕2回測定し、1回につき2度測定して平均を記録してください。血圧管理はあなたが主役です。(辺野喜英夫・辺野喜内科小児科)