【伊江】元小学校教諭で伊江村の民俗文化の継承に貢献し、村民から「伊江村教育文化の母」と慕われている中原美代さん(99)がこのほど、「回想100年」記念誌を発刊した。16日、発刊と白寿を祝う会が村内で開かれ、教え子や元同僚ら関係者約100人が出席した。

中原さん(前列右から3人目)を囲んで出版を祝う教え子とその保護者ら=16日、伊江村

 記念誌は「回想録」「民話を語る」「日記帳」「新聞記事等」「思い出の写真集」で構成され、読み手の心に語り掛ける内容で、村民の反響も大きい。中原さんと親交のある知念正行さん(75)=村東江前=が中心となり、ことし3月に編集委員会を立ち上げ、編集作業を進めてきた。

 中原さんは戦前から教壇に立ち、戦後も教育現場で島の復興を支えてきた。1965年生まれの先天性風疹症候群の子どもたちが学ぶ「風疹児学級」では、子どもたちの成長を見守り、保護者の相談相手にもなった。

 退職後も、村に伝わる民話や子守唄の記録保存に取り組み、ボーシクマー(アダン葉帽子の編み手)として後進の指導に当たり、継承に向けた企画展にも積極的に参画している。

 祝賀会では「風疹児学級」の教え子、玉城貢さん(49)と喜屋武久美さん(49)から中原さんに花束が贈られ、久しぶりの再会を喜んだ。中原さんは、花束を手に「健康に恵まれ、今までなりふり構わずいろいろなことをしているうちに100歳を迎えようとしております。お世話になりました。みなさんに感謝します」とあいさつした。

 戦後間もないころの教員仲間である友寄隆宏さん(85)は「あの頃の美代先生は、私たち若手教師の憧れでした。やさしいまなざしの中に、すじを通す強い信念を持った教師で、常に手本にさせていただきました」と懐かしんだ。

 祝賀会の結びに、中原さんから村人材育成会と社会福祉協議会へそれぞれ20万円の寄付金が贈呈された。