【名護】「静かにしろ」「抵抗するな」。22日、名護市辺野古沖で警備していた海上保安庁職員は、そう言って基地建設に抗議するカヌーの男性(32)の首を押さえ付けた。頸椎(けいつい)捻挫で全治10日のけがを負った男性は「痛くて抵抗できないのに。強引で暴力的だ」と憤る。男性の証言を基に本紙が問い合わせたところ、海保は「現場の指揮官から事情を聞き、ビデオカメラも調べたが、そのような事実は確認できなかった」と回答した。

カヌーに乗っていた男性を引き上げた後、首を押さえつける海保職員=22日11時20分ごろ、名護市辺野古沖(豊里友行さん提供)

 男性によると午前11時すぎ、海保のゴムボートがフロートに接近したカヌー15隻を取り囲み、「確保」の号令で職員が男性を羽交い締めに。カヌーからゴムボートに引き上げられる際、首に痛みを感じたという。ボートの上でも首を押さえ付けられた。

 男性は「報道の船が近づくと手を放し、遠ざかると再び押さえ付けてきた。ひどい」と話した。

 辺野古漁港に連れ戻される間、職員に痛みを訴えたが取り合ってもらえなかった。「事情聴取するから巡視船に乗せると言われた。顔を近づけ、かなり高圧的だった」と語った。

 辺野古沖で警備する海保は、抗議する市民や取材する報道各社の船に対し終始、ビデオカメラを向けている。別の市民は「確認できなかったというのはありえない」と批判した。