「男に焦点をあてるべきですよ」。松井やより著「20人の男たちと語る性と政治」(御茶の水書房)の1節にハッとした。ジャーナリストの松井さんと、政治家、活動家、識者の男性20人の対談記録。沖縄からは大田昌秀さんが名を連ねる

 ▼冒頭はその1人、編集者の谷口和憲さんの発言。日本人男性による台湾やフィリピンでの買春ツアーが社会問題となった1980年代「アジアの買売春に反対する男たちの会」を結成した

 ▼日本の買春問題について「買う男性に焦点をあてるべきなのに、女性が処女かプロか、強制か自由意志かなどと女性側の事情ばかりで、買う側を免罪にしようとする。それが問題」と語る

 ▼那覇地検は18日、女子中学生に金銭を渡してみだらな行為をしたとして、県教育庁幹部の男性を県青少年保護育成条例違反で起訴した(20日付26面)

 ▼男性は児童買春容疑で逮捕されたが、「18歳未満と知らなかった」と供述しているため、買春での起訴を断念した形。買春の罪を「18歳未満かそれ以上か」という女性側の事情で判断する法律の限界だ

 ▼しかし、かつての自身の買春体験を語る谷口さんによると「買春は、実際には強かんだった」。犯す罪の重さ、何度も繰り返されている事態を鑑みれば、買春行為そのものを裁く法律が必要だと強く思う。(黒島美奈子)