シンポジウム「どうする米軍基地・集団的自衛権-オキナワの選択」を25日に那覇で開催する(新外交イニシアティブ主催)。企画を始めた当初、必ずしも辺野古がこの時期に緊迫した状況を迎えると考えていたわけではない。しかし、この時期に開催する以上、辺野古の状況をふまえた千人規模の企画として、今後「沖縄」がいかなる手段をとりうるか、沖縄、そして、本土で議論を行うきっかけの場にしていきたいと思う。

 18日、辺野古でボーリング調査が開始された。気が急く中、連日ニュースを沖縄紙で追う。沖縄の友人たちの顔が次々と目に浮かぶ。それに続き、今まで顔を合わせてきたワシントンの人々がこの事態をどう見ているか、そこに意識が移る。

 さまざまな声を外交に届けることを趣旨とする新外交イニシアティブ(ND)の活動を通じて沖縄の基地問題に関わり、沖縄選出の国会議員や名護市長の訪米ロビー活動を企画してきた。この事態をワシントンはどう見るだろう。

 調査着手を知った米国の「知日派(日本専門家)」の人々は、ある人はそれを支持しながら、ある人は驚きを覚えながら、沖縄の状況を注視している。彼らの視点は、「集まる反対運動の人数は何人か」「県内の反対は強いか」「知事選への影響は」「安倍政権は工事を完遂するか」「完遂しても、強烈な反対の中で基地運営に支障は出ないか」といった点にあるだろう。

 ワシントンの知日派には、知事の辺野古埋め立て承認を受けて普天間移設問題が決着したと考える層もいるが、辺野古移設に慎重派、反対派も存在する。その多くは、辺野古移設が政治的・財政的に実現不可能、あるいは相当困難、という点を理由としている。

 調査着工を受け、彼らは、本当にこの問題は決着したのか、計画は実現不可能なのか、-すなわち、「沖縄」がいかにこの事態に反応するか、を注視している。

 米国の「知日派」と議論するためには、安全保障の観点を踏まえた立論をする必要がある。それゆえ、NDでは抑止力の観点から米海兵隊の沖縄駐留の要否を検討する書籍「虚像の抑止力 沖縄・東京・ワシントン発 安全保障政策の新機軸」を今月出版した。

 しかし、ワシントンからみても、地元の反対が強い中での基地運営のリスクが大きいことは認識されている。

 この調査開始により、「沖縄」の辺野古移設反対を伝えるための取り組みや発信の強化がさらに必要となる。シンポでは、これからどのように取り組むべきかについても識者の意見を聞き、議論し、次につなげたい。

 今月中旬までこの問題に触れることの少なかった本土メディアでも、報道がなされ始めた。ワシントンのみならず、東京を含む本土への発信も私たちの課題である。(ND事務局長/弁護士)=おわり

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 シンポジウムは25日午後7時から、那覇市の沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハで開かれる。問い合わせは、電話03(3948)7255。アドレスはinfo@nd-initiative.org