【多良間】多良間村が島の一周道路に10年ほど前に植樹したヤシの木が数年前から立ち枯れしており、島の景観を損なっている。害虫が原因とみられており、多良間空港前の記念撮影ポイントでも立ち枯れが目立ち、観光客にも不評で苦情も出始めているという。村建設課は木を根っこから切り倒す撤去作業に乗り出している。

立ち枯れしているヤシの木。観光客にも不評だ=多良間空港前入り口

 立ち枯れの大きな原因は侵入害虫のキムネクロナガハムシ(ハムシ科・トゲハムシ亜科)。成虫の体長は0・8~1・2センチで細長く平たい。葉と葉の間に潜り込み直線的に摂食する。キムネクロナガハムシの分布拡大は2000年代に、タイ、カンボジア、フィリピンなど東南アジアに分布、日本では与那国、西表島、宮古島、奄美大島にまで拡大しているという。

 被害が特に大きいのは農村公園。植えられているヤシの木二十数本が実もつけずに枯れ、無残な姿に。

 キビ農家の男性は「村は何のために植えたのか、キビにでも感染したら責任をとってもらわなければ」と心配している。キビ生産組合前会長の本村健次さん(50)は「これまでキビの根を食いあらすハリガネムシ、アオドウガネが増えていたが、現在は激減している。ヤシの害虫については村から説明を受けたい」とする。

 数年前から島のヤシの木を調査している九州大学大学院農学研究院の高須啓志さん(52)は「キビに感染しているという報告はないが、空港道路に植えているマニラヤシには何本か感染している。今後注意深く観察しなければいけないのでは」と話している。

 管理する村建設課は今後も枯れたヤシの木は撤去していく方針という。(長岡秀則通信員)