日本の国際競技力向上を目的に、スポーツ科学、医学などの最先端研究情報と最新機材がそろい、五輪日本代表クラスのトップアスリートが汗を流す、独立行政法人日本スポーツ振興センター所属の国立スポーツ科学センター(東京都北区、通称JISS)で沖縄県出身者がスタッフとして活躍している。(小笠原大介東京通信員)

JISSで活躍する県出身者。(左から)知念穣さん、工藤夏子さん、大城英稔さん、末広朋也さん、上原伸之介さん、米嵩奈央さん、照屋絵理さん=JISS(小笠原大介東京通信員撮影)

常駐トレーナーとして活動する大城英稔さん

JISSで活躍する県出身者。(左から)知念穣さん、工藤夏子さん、大城英稔さん、末広朋也さん、上原伸之介さん、米嵩奈央さん、照屋絵理さん=JISS(小笠原大介東京通信員撮影) 常駐トレーナーとして活動する大城英稔さん

 浦添市出身の大城英稔さん(33)は常駐トレーナーの一人として、オリンピック種目を中心とした超一流選手をサポートする。大城さんは「アマチュア最高峰の五輪に関わりたい」との思いを強くし、プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングスのフィジカルコーチから転身。現在はバドミントンやホッケー、ボート競技などを担当する。「競技者の持っている土台を大切にし、さらにその先を伸ばす」を信条とした柔軟な指導方法は、多くの選手から信頼を集めている。

 各競技団体からJISSに派遣されている県出身者もいる。JT女子バレーボール部所属の上原伸之介さん(28)=那覇市出身=と日本バスケットボール協会テクニカルスタッフの末広朋也さん(27)=宮古島市出身=は共に代表チームの試合映像データを分析する。「自分の情報がチームの強化に直結するので責任は重大」と話す上原さん。

 末広さんは「将来はコーチになりたい。恵まれた環境で自分を高められる」と、第一線に関わるやりがいを話した。

 ほかにも非常勤トレーナーや、将来のオリンピアンを発掘する推進事業など、現在10人の県出身者が裏方として日本のトップアスリートを支えており、JISSの中でも際立って多い方だという。

 さまざまな立場で活躍する彼らには、共通の目標がある。それはJISSでの経験を沖縄に還元したいということ。

 沖縄と中央のパイプ役になりたいと語る大城さんは「沖縄の気候を生かしたトレーニング環境をつくり、生かせる力になりたい。そして沖縄から五輪選手を出したい」。

 スポーツ庁が新設され、6年後の東京五輪に向けて本格的に始動した日本。スポーツ政策の中枢を今、沖縄の力が支えている。