成熟社会で少子化が進むのは世の常だが、その中でも出生率が上位にある国の共通点を、社会学者の上野千鶴子さんは婚外出生率の高さだと指摘している(「女たちのサバイバル作戦」)

▼婚外子はスウェーデンでは新生児の2人に1人、ドイツでは3人に1人、たびたび話題に上るフランスは半数を超すらしい。その理由は「非婚のままシングルマザーになることに、デメリットがなくなってきたから」だ

▼翻って日本では不利益どころか、差別的ですらある。税金が軽減され、保育料などさまざまに影響してくる寡婦控除が適用されるのは、夫と死別か離婚した子育て中の女性だけ。非婚の場合は当てはまらない

▼こうした中で、非婚の「みなし適用」が少しずつ広がってきた。本紙調べで、県内では26市町村が一部事業で実施している

▼ここで、ふと気づく。非婚のシングルマザーに冷たい日本では婚外子の出生率が低く、少子化にも歯止めがかかっていない。法律上の結婚の有無にかかわらずシングルマザーに温かい欧州の国々は女性の経済力を背景に、出生率が比較的高い

▼さらに気づく。日本政府は国際比較の数字に気づいているはずで、本腰を入れて少子化対策を取る気はないのではないか。出産を考えるすべての女性につながる厳しい問題の象徴という気がしてならない。(与那嶺一枝)