県内41市町村のうち29の市町村で議員選挙が実施される統一地方選が近づいている。9月7日の投開票をピークに、10月5日まで続く。

 本部町、大宜味村、伊是名村では首長選挙も予定されている。

 仲井真弘多知事が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う埋め立てを承認した後の大型選挙だ。11月の知事選にも影響を与えるため、注目度も高い。

 地方自治体は、住民の直接選挙で選ばれる議員と首長による「二元代表制」で成り立っている。議員と首長が互いに活動をチェックしあい、民意を反映させていく仕組みである。

 予算の編成や議案の提出、人事権など幅広い権限を持つ首長に対し、地方議員の存在意義は、その監視機能にある。

 だが実際はどうか。

 首長と議員がなれ合い、互いに用意した原稿を読み上げ、質疑らしい質疑もない議会が少なくない。

 一方、首長のちょっとしたミスをここぞとばかりに取り上げ、重要な問題をそっちのけで対立する議会も見てきた。

 「チェックアンドバランス」に基づく二元代表制はうまく機能していない。  

 一般の県民が持つ議員のイメージはというと、「冠婚葬祭で会うくらいで何をしているか分からない」「特定の人や団体のために動いている」などだ。

 住民から手の届く距離にいる身近な代表なのに、地方議会や議員への期待は薄い。

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 号泣会見で注目を集めた兵庫県議は、出張旅費をめぐる疑惑や大量の切手購入など政務活動費の不自然な支出を繰り返していた。

 東京都議会での女性議員へのセクハラやじにはあきれたが、暴言に同調する他の議員の笑い声に根深い性差別意識を感じた。

 最近もLINE(ライン)で中学生を威圧したり、ツイッターに「アイヌ民族なんていない」と書き込む府議や市議が問題になるなど、地方議員の劣化を露呈する出来事が相次いでいる。

 人ごとではないと思うのは、「普天間の県外移設」を訴えて選ばれた自民党の国会議員や県議が、任期途中でその約束をころっと変える姿を見たからだろう。

 県民の声を無視し、一番重要な公約をいとも簡単にほごにしたことで、政治への信頼はずたずたになった。

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 足元の民主主義が空洞化していると強く感じる今だからこそ逆に、地方議会や議員の在り方を問いたい。

 「誰が当選しても同じ」とさじを投げて選挙に行かないのは、役割を果たさない政治家を喜ばせるだけである。

 そもそも議員は身の回りのこまごまとした用事を頼む相手ではない。地域の未来を託す相手だ。

 首長と議員のなれ合いに厳しい目を向け、活動をチェックするのは有権者の役割である。

 統一地方選では、住民の声をくみ取り、地域をよくしていく「議員力」に目を向けたい。