名護市辺野古の新基地建設をめぐり、県は28日、沖縄防衛局が提出した埋め立て本体工事の岩礁破砕申請を許可し、防衛局に通知した。辺野古周辺の海域で工事に着手できる法的な環境が整った格好で、これを受けて防衛局は同日、海域に仮設の護岸を設置する工事の入札手続きに入った。年度内にも着工する考え。県の許可した工事期間は2017年3月末までの2年7カ月間。

 着工されれば、政府がV字形の滑走路2本を建設する現行計画を示した06年以来、海上工事は初めてとなる。

 県が海底の地形を変える工事を許可した範囲は約172ヘクタール。建設に反対する名護市が管理しており、工事に着手できる見通しの立っていない辺野古漁港周辺や美謝川も含まれている。

 許可の理由について県水産課の新里勝也課長は、主に(1)サンゴや海草類の漁場環境(2)水質の汚濁防止対策(3)周辺漁場への影響-などを審査した上で「総合的に検討した結果、許可が適当と判断した」と説明した。

 防衛局が提出した申請には「埋め立て承認の根拠が不明確」「漁業に支障」など6件の理由で岩礁破砕に反対する名護市の意見書が添付されていたが、新里氏は「水産資源の観点から審査し、漁業をいたずらに妨げないという条件を付けることで許可が適当と判断した」とした。県民の多くが反対する中で許可したことには「業務として基準に基づいて審査した結果だ」と述べるにとどめた。

 条件は(1)漁場が汚濁されれば工事を中断し、被害を最小限にする措置を講じる(2)工事は日の出から日没まで(3)申請にない行為や条件に違反した場合は許可を取り消す-など計九つ。

 県が同日公開した防衛局の申請では、年度内にも着工される(1)仮設桟橋(2)仮設岸壁(3)浚渫(しゅんせつ)・床堀工事-の平面図や面積を記した図面が黒塗りされていた。防衛局から「事業の適正執行に影響がある」などとして非公開を求められたという。

 防衛局が入札公告したのは、「中仕切護岸」の新設工事のほか、シュワブ内に資材置き場となる陸上仮設ヤードを整備する工事など8件。護岸は約130メートルと約250メートルの2工区で、工期はいずれも17年3月末まで。