【名護】米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設工事に向けた海上作業が進む名護市辺野古沖で、海上保安庁は30日正午ごろ、抗議のため工事区域を示すフロート(浮具)内にカヌーなどで入った市民ら20人を一時拘束した。20人は海保のゴムボートに乗せられ、約1時間後には解放された。同日のカヌーでの抗議には、これまでで最多となる23艇・37人が参加、一時拘束数も最大となった。

海保職員にボートに引き上げられる市民や、カヌーに乗って抗議する市民ら=30日午後12時8分、名護市辺野古沿岸(浦崎直己撮影)

 この日は市民ら約50人がカヌーや小型船で抗議。海保職員はゴムボートや小型船約10艇で監視し、市民らに臨時制限区域や工事区域などを理由に、フロート内に入った際には「排除する」と警告した。

 午前11時46分、フロートに沿って広がったカヌーに乗る市民らは一斉に行動開始。フロートから200メートルほど先にあるボーリング調査用のスパット台船を目指した。

 海保職員も次々と海へ飛び込み、市民らを確保。フロート内では、かぎがついた棒でカヌーを引っぱったり、腕を伸ばして乗員を海中に引きずり降ろすなどして、捕まえていた。

 最終的に、フロート内に入った市民や入ろうとした計20人を拘束。巡視船へ連れていかれた人はいなかった。けが人は出なかったが、拘束された際に2人の眼鏡が壊れた。

 頭を腕で押さえつけられ、眼鏡のレンズが外れたという男性(34)は「足を引っ張られ、羽交い締めにされた。多人数に焦ったのか、いつも以上に乱暴だった」と批判。

 別の男性(38)は「数が多ければ海保は対応できない。人が増えれば工事を止められる」と手応えを感じていた。

 一方、辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では、市民ら80人が集まり、新基地建設の反対を訴えた。