八重山の島々に伝わる童歌を通して、スマムニ(島言葉)や昔遊びを継承しようと、児童文化サークル「くにぶん木の会」(池田哲子会長)が活動を続けている。24日に石垣市総合体育館で開いた「うたってあそぼう ばがー(私たち)島のわらべうた」には、約80人の親子連れが参加する盛況。お手玉や鬼ごっこなどを楽しんだ。若い世代も加わり、今後も地元の児童文化とともに、言葉を受け継いでいく。(八重山支局・新崎哲史)

わらべ歌を歌いながら、鬼が子どもをさらおうとするのを防ぐ「子取り鬼」を楽しむ親子たち=石垣市総合体育館武道場

 「あーめーまーや ふいたぼんな てぃだーまや あがりたぼり(雨さんよ ふらないでおくれ お日様よ 照っておくれ)」

 「いーりぃほーねー まっかーよいさ あーりぃほーねー きぃむちぃよいさ(西の方は弱虫で 東の方は元気者)」

 池田会長が童歌を繰り返すと、子どもたちも歌を口ずさみ、お手玉遊びに熱中する。

 くにぶん木の会は、退職教諭らが1987年に設立。当初は共通語による劇に取り組んだが、活動を続ける中、八重山の豊かな伝統文化に着目。民話や童歌、昔遊びを劇や遊びにして伝える「手作りの文化継承」に取り組むようになった。

 2009年には、石垣島に伝わる55曲を集めたCD付き冊子「ばがー島のわらべうた」を制作。竹富や与那国の島々を巡り、島に伝わる民話をもとにした人形劇の上演なども続ける。

 最近は「島の伝統遊びを学びたい」と若い世代の保育士や幼稚園教諭が入会し、活動の中心になった。池田会長は「島の先輩から言葉や昔遊びを学ぶが、間違った理解にならないよう私たちも勉強です」と気を引き締める。

 子どもが「楽しい」と感じるのが継承の鍵という。例えば、大きな青色の布を海に見立てた遊び。子どもたちが布の端を上下に動かして波を起こし、童歌の途中で「うりひゃー」と掛け声を掛け、一斉に布の下に潜り込む。

 子どもたちは歓声を上げて隠れ、合図とともに魚のまねをして布から出てくる。会員は「家では布団のシーツでできる。子どもたちと一緒に歌ってください」と呼び掛けた。

 特別養護老人ホームに勤める譜久山孝さん(39)は「童歌は子どもとお年寄りをつなげる力がある。親しみのあるメロディーは島の宝。ぜひ残していきたい」と語った。

 池田会長は「しまくとぅばを残すための全県的盛り上がりや三線ブームで、子どもたちの親世代の関心が高まっている」とみる。「童歌や遊びを知る人が健在な今、島々で聞き取りを続け、第2弾の『ばがー島のわらべうた』を発刊したい」と力を込めた。