【沖縄発JICAボランティア 伊波 良剛】

診療所の近所の広場で仕事を終えて子供たちとサッカーを楽しむ伊波良剛さん(後方)=トレス・デ・フェブレロ

パラグアイ共和国 面積40万6752平方キロメートル。人口669万人(2012年・世銀)、首都はアスンシオン。主要産業は農業や牧畜、林業。1人あたりの国民総所得(GNI)は5050ドル

診療所の近所の広場で仕事を終えて子供たちとサッカーを楽しむ伊波良剛さん(後方)=トレス・デ・フェブレロ パラグアイ共和国 面積40万6752平方キロメートル。人口669万人(2012年・世銀)、首都はアスンシオン。主要産業は農業や牧畜、林業。1人あたりの国民総所得(GNI)は5050ドル

 「ヨシ!バモス!パルティード!」平日、夕方5時になると、私の配属先であるトレス・デ・フェブレロ診療所に男の子たちが迎えに来る。「ヨシ、サッカーの試合しようよ」と誘いに来てくれるのだ。この子たちのおかげで、日本から遠く離れた南米パラグアイでの生活も寂しくない。

 私は、パラグアイの首都アスンシオンから220km離れた小さな村(トレス・デ・フェブレロ)で看護師ボランティアとして働いている。日本での看護師経験は、4年2カ月、浦添総合病院の救命救急病床で働いていた。日本では、急性期の集中治療の現場にいた私が、途上国に行って何ができるかはわからなかったけれど、自分の能力を伸ばしたい思いと、自分の持っている知識や技術を誰かの役に立つように生かしたいという思いからJICAボランティアに応募した。ちなみに、私の妻も同じような考えでボランティアに参加し、今アフリカのエチオピアへ小学校教員として派遣されている。

 日々の活動は、診療所に来た患者の血圧測定や体重測定をしたり、同僚が行った予防接種のデータをパソコンに打ち込み、それをメールで保健省へ送ったりしている。言葉にするとたった数行で終わってしまうのだか、ここまでの作業を行うのに私は、5カ月もかかった。

 言葉や生活習慣に慣れる事。そして生きるには何が必要なのかを身をもって体験した5カ月だったといえる。停電はよくあるし、断水が10日間続いたこともある。ミネラルウオーターは買えるので、飲み水には困らなかったが、水道水が出ないと料理も洗濯もトイレも不自由する。最初のうちはこれも途上国に来たからいい経験だと思っていたが、10日間連続となると、だんだん生きる力が削がれていくような感覚に陥る。

 そんな時に、水が出ない事を何も気にせず、「ヨシ!バモス!パルティード!」と誘ってくれる子供たちに、いつも元気をもらってなんとか生きている。元気をもらった分、少しでもこの村の役に立ちたいと思い活動に励む。

 いは・よしひさ 宜野湾市出身。現在、琉球大学保健学研究科に所属。2013年9月~2015年7月まで、トレス・デ・フェブレロの保健ポストに派遣。