【読谷】村高志保区自治会(松田正彦区長)は8月27日、地域で60年保管していた龕(がん)を村立歴史民俗資料館に寄贈した。多くの地域住民や関係者が集まり、地域文化を支えた龕に感謝し、資料館展示を喜んだ。

地域住民に見送られ、村立歴史民俗資料館に運ばれる龕=読谷村高志保

 龕は火葬が一般的になる前に、亡くなった人を運んだもので僧侶やハスなどが描かれている。高志保区では戦前と戦後に2度製作され、寄贈されたのは1954年に波平の龕を参考に作られたもの。60年ごろまで実際に使われていたという。

 その後は集落内にある自治会所有の土地の龕屋で保管していたが、近隣の住民からハブの発生などの報告があり、対応に苦慮。松田区長らが同区自治会文化保存伝承委員会を立ち上げて、龕の保存について協議していた。焼却する案もあったが、実物を見た同資料館が展示することを決めて寄贈が決まった。

 寄贈式では龕屋に保管されていた龕を外に出して組み立てた。祈願を終えて、車の荷台に積まれて同資料館に運ばれた。松田区長は「展示は区民の喜び。一番よい形で保存ができた」と感無量の様子。龕屋があった土地は今後整備し、記念碑を建てる予定だ。

 資料館は龕の清掃や消毒をして本年度中の展示を目指す。仲宗根求館長は「沖縄の歴史や民俗を知る実物資料として大変価値がある。観覧者に命の尊さを伝える資料にしたい」と期待した。