東京で改札機に財布を押し付けている若い女性を見掛けていぶかったのは10年余り前。赤い果実しか浮かばなかったIC乗車カードの名称も、お上りさんには奇天烈(きてれつ)に思えた

▼スイカに代表される鉄道系カードは県外であっという間に広まった。バスとモノレールの計3種類の回数券と一緒に、旅のお供にと名刺入れに忍ばせている。県内でも来月のOKICA(オキカ)導入で1枚にまとまると期待したが違うらしい

▼県内のシステムは独立しているからだ。全国と互換性があるのは事業費が2倍、維持管理費は4倍に膨らむためだ。費用は抑えたが、利便性はどうか

▼県内客は便利になるかもしれないが、モノレールは通勤のほか観光客も多い。那覇空港駅の改札には、スイカは使えないという案内が現時点でも張ってある。利用できないと残念がる県外客は、少なくないはずだ

▼相互利用と顧客集約化が進む鉄道系カード・電子マネーの世界で、後発組が独自システムで長期的に成功するには、よほどの特色が必要だと思える。その鍵となる一歩は、お土産にもなるというICカード機能付きのキーホルダー型フィギュア(人形)とみた

▼利便性一辺倒ではない遊び心は、旅心をくすぐる。手始めに鉄道好きの鉄ちゃんや鉄子さんの心をわしづかみにする初ものフィギュアに期待したい。(与那嶺一枝)