養豚業の嘉数ファーム(糸満市、嘉数美代子社長)は子豚にシークヮーサーの果皮をブレンドした飼料を与え、長期肥育したブランド豚「甘熟島豚くがにかふー」の生産に取り組んでいる。シークヮーサー関連商品の開発・製造を手掛ける沖縄特産販売(豊見城市、與那覇仁社長)が搾汁後の果皮を乾燥・粉末化して提供。食品分析では通常肥育の豚に比べ、甘みやうま味成分が増し、後味もさっぱりするなど肉質が改善。県内外に年間約千頭(枝肉約100トン分)の出荷を目指す考えだ。(長浜真吾)

新ブランド豚「甘熟島豚くがにかふー」を生産する嘉数ファームの嘉数雅人さん=糸満市

乾燥・粉末化されたシークヮーサーの果皮

新ブランド豚「甘熟島豚くがにかふー」を生産する嘉数ファームの嘉数雅人さん=糸満市 乾燥・粉末化されたシークヮーサーの果皮

 独自ブランド構築による付加価値アップを目指す嘉数ファームと、シークヮーサー果皮の有効活用を模索していた沖縄特産販売の思惑が一致。両社と取引のある食肉卸の大豊アグリ(浦添市、長崎秀則社長)が仲介を担った。

 「甘熟島豚」のベースはランドレース、大ヨークシャー、デュロックを掛け合わせた「三元豚」。トウモロコシや大豆中心の飼料にシークヮーサー果皮の粉末を混ぜることで子豚の食欲が向上。県環境科学センターの分析によると一般豚より、甘み成分のグリシンやアラニンの含有量が増加。不飽和脂肪酸も増え、さっぱりした後味が特徴。母豚には試験的に粗糖も与えている。

 長期肥育もポイント。通常より約1カ月長く肥育して脂をのせ、成長具合を個別に見極めながら、出荷のタイミングを調整する。

 嘉数ファームは嘉数社長(66)の夫、幸三郎氏(故人)が1972年に設立。現在は従業員7人で母豚300頭、子豚3千頭を飼育している。

 夫妻の次男で後継者の雅人氏(33)は「初めてブランド豚づくりに挑戦することができ、やりがいを感じてる。今後も肉質改善に研究を重ね、認知度を高めたい」と意欲をみせる。

 沖縄特産販売では大豊アグリを通じて豚肉を仕入れ、豊崎の自社店舗「ヨナーズ」のメニュー、通信販売、県内のホテルに供給。與那覇玲専務は「飼料の供給側と生産者の直接的なコラボは珍しいのではないか。ブランド構築で差別化を図り、養豚農家の所得向上にもつなげたい」と話している。

 問い合わせは沖縄特産販売、電話098(850)8953まで。