【西表島=竹富】先月、交通事故後に保護された国の特別天然記念物イリオモテヤマネコが元気を取り戻し、3日夕、森へと返された。統計を取り始めた1978年以来、交通事故に遭ったヤマネコが野生復帰するのは初めて。

発信器の付いた首輪を着け、森に返される前のイリオモテヤマネコの幼獣(西表野生生物保護センター提供)

 このヤマネコは生後5カ月ほどの幼い雌で8月26日未明、西表島高那の県道上で動けなくなっていたところを近くのホテルに宿泊中の大学生が見つけた。

 通報を受けた西表野生生物保護センターが治療を続け、大きな外傷もなかったことから調査研究用の発信器を付け、野生に返すことを決めた。

 保護された現場に近い林の中で、環境省職員がヤマネコの入ったかごを開けると、力いっぱいに駆け出し、夕闇の森の中へ消えていった。

 同センターの福田真自然保護官は「車の走行速度が遅く、早めの通報と治療で助けることができた。万が一、ひいた場合でもすぐにセンターに連絡すれば助かる可能性は高い」と運転手に協力を呼び掛けた。