コンビニエンスストアの沖縄ファミリーマート(那覇市、大城健一社長)が自社で開発する沖縄限定商品や県内企業と共同開発した“コラボ商品”が人気だ。他の都道府県にはない独自企画の商品の売上高は、総菜などの「中食」分野の約4割を占める。地元客はもちろん、限定品目当ての観光客の利用も多く、土産品としての需要も生まれている。開発した商品が全国展開したケースもある。連携する県内企業は新たな客層を開拓することができ、沖縄ファミマにとっては客を飽きさせない新商品投入の原動力になっている。(座安あきの)

沖縄限定の総菜商品の開発事例を紹介する商品部デリカ食品課の岸本国也課長(右)と仲村渠忠課長代理=那覇市・沖縄ファミリーマート

 同社によると、2007年から県内飲食店やホテル、食品メーカー、学生との共同開発件数は63件、そこから生まれた商品は累計214品目に上る。7月現在の売り場でみると、弁当や総菜、調理麺、手作りデザートなど対象219品のうち、沖縄限定商品は106品目と約48%を占め、売り場の中核を担っている。

 県内企業とのコラボ例では「通堂ラーメン」のカップめんや「ピザハウス」の塩プリンなど飲食店の看板メニューや共同企画の新メニューをコンビニ用に開発。同社広報・マーケティング室の比嘉智室長は「人気のお店とのコラボだけに、中途半端な味では許されない」と話す。飲食店側から徹底的にレシピと調理法を指導してもらい、沖縄ファミマの専用工場でその味を再現、調理できる体制を整える。

 開発期間はおよそ6カ月~1年。商品部の仲村渠忠課長代理は「企画力・開発力が着実に上がってきた。コンビニでここまでおいしい味がつくれるのかと、企業側からの評価も高まっている」と自信をのぞかせる。

 ファミリーマートが沖縄に進出した1987年当初は、全国同じ品ぞろえを売りに、県内スーパーと差別化しようとあえて地域色を出さない戦略だった。だが、コンビニ業態が定着し、97年にライバルチェーンが沖縄に進出してきたことを契機に「地元密着」「独自カラー」を鮮明に打ち出す方針に転換した。

 全国でも定番商品となっている「塩むすび」や「フライドチキン」、1杯から安価で買えるセルフ式コーヒーはいずれも沖縄ファミマが独自に開発し、人気商品となって全国展開した事例だ。比嘉室長は「東京の高度な品質管理のノウハウを使って、地域独自の商品を生み出すモデルケースとして、他地域のファミマでも導入する動きがある。沖縄の人が持っているチャンプルーの才能を発揮し、商品力をさらに高めていきたい」と話した。