アメリカの大学は日本とは違って、入学しても卒業するのが難しいといわれる。しかも、少子化の日本と異なり、移民社会のアメリカでは受験生と大学の定員との需要と供給のバランスがマッチしていないため、憧れの大学に入学するのは非常に狭き門だ。

「UCLAの教授になれたら」と夢を語るマリコ・グリーンさん

 ロサンゼルスに近いオレンジ郡在住のマリコ・グリーンさんは今年の6月、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を輝かしい成績で卒業した。哲学を専攻し、卒業時に大学表彰、学部表彰、ドナルド・カリッシュ哲学表彰などの優秀賞を軒並み受賞した。

 マリコさんは、父方が沖縄系の母親と、幼くして母とは離婚したアメリカ人の父親の間に生まれた。「母はITコンサルタントとして多忙だったので、私にとっては祖父母が両親のようなものだった。非常に教育熱心だった母や祖父母からは、時間があれば図書館で過ごすようにと言われ、私は読書好きになった」と言う。「母は非常に評判の良い私立校に私を通わせてくれ、変わっていると思われるかもしれないけれど、私は学校が大好きだった。そんな母は常に私に刺激を与えてくれる存在だった」。

 自立したキャリアウーマンの母親の背中を見て育ったマリコさん。彼女自身もまた哲学という分野でキャリアを追求しようとしている。最初はあまりにも実践的でない学問というイメージを抱いていたが、講義を受けて先入観が覆った。「奥の深さに引き込まれ、自分が取り組むのはこれだ!と思えた」。そして本を何冊も読み、ますます夢中になった。

 現在マリコさんは、オレンジ郡のサドルバックカレッジで個人教師(チューター)のパートタイム職に就きながら、大学院進学に向け準備している。将来の夢を聞くと「日本で英語教師になるプログラムへの応募にも興味があるが、大学院進学が優先。そして将来は、哲学の学問を極めて教授になりたい。UCLAの教授に? 現実的には競争率が高いので難しいだろうが、UCLAの教授になれたら理想的。まさに夢のゴール」と答えた。(福田恵子・ロサンゼルス通信員)