【堀江剛史通信員】「国立劇場おきなわ」によるサンパウロ公演『琉球の新風』が8月20日にあり、来場した約660人を“古里”へと誘った。国際交流基金サンパウロ日本文化センターとの共催。

うちなー口で行われた舞台=サンパウロ

 2004年に組踊や琉球舞踊、音楽など芸能の継承を目的に創立。琉球王国時代に中国の使者をもてなすために生まれた「組踊」は、ユネスコ世界無形文化財リストにも登録されている。

 祝宴の座開きでおなじみの「かぎやで風」で幕開けすると、荘厳な雰囲気の組踊「忠臣身替の巻」や「部の舞」、軽快な踊りが特徴的な「谷茶前」「加那よー天川」、民衆の生活を表現した「島唄」など全11種目が2時間にわたって行われ、客席からは盛んに歓声や口笛が飛んだ。

 酒好きな二人の従者が主人の不在を見計らって盗み酒をする喜劇「棒縛」は全てうちなー口。会場からは終始爆笑が起きていた。

 呉屋ハツエさん(61)は「懐かしく、とっても良かった」と笑顔を見せ、県系人の親族がいるという前田睦子(75)=2世、国吉康子さん(73)=同=姉妹は、最前列で迫力の公演を楽しみ、「踊りも歌もすごくすてきだった」と満足げに語った。

 最後は鳩間島の美しさを歌った民謡「鳩間節」にあわせ、踊り手が舞台から降りて会場を練り歩いた。観客は更に沸きたち、手拍子したりカメラを手に踊り手を囲んだりと楽しんだ。

 構成演出を行なった2代目芸術監督の嘉数道彦さん(34)=那覇市=は「沖縄でも、うちなー口はほとんど通じないのが現状。ブラジルでの反応は沖縄以上にすごい」と感想を述べた。

 一行は、22日にリオ公演、その後、8月に沖縄移民入植60周年を迎えたボリビアでも初公演を行った。