沖縄そばが、地球の反対側にあるブラジル国カンポグランデ市で、独自に進化している。沖縄県人の入植100周年を迎えた街で、牛肉やたっぷりのネギをのせ、しょうゆ味のスープでブラジル人の胃袋をつかんだ。いまでは地元の名物料理となっている一品に、沖縄からの記念式典訪問団は「おいしい」と舌鼓を打ちつつ、「まるで別の食べ物のようだ」と本音を漏らす人もいた。(南部報道部・又吉健次)

沖縄そばは、地球の反対側でも人気だ。ブラジル人の好みは濃い味といい、しょうゆをかけて食べる人もいる=8月13日、カンポグランデ市の中央市場

ブラジル流に進化した「SOBA」を手にする玉城ニウソンさん。「沖縄のそばは、ブラジルの味覚では甘い」=8月11日

「SOBA」の文字が見えるカンポグランデ市の飲食店の看板。ピザ店で扱う例もあるという=8月14日

沖縄そばは、地球の反対側でも人気だ。ブラジル人の好みは濃い味といい、しょうゆをかけて食べる人もいる=8月13日、カンポグランデ市の中央市場 ブラジル流に進化した「SOBA」を手にする玉城ニウソンさん。「沖縄のそばは、ブラジルの味覚では甘い」=8月11日 「SOBA」の文字が見えるカンポグランデ市の飲食店の看板。ピザ店で扱う例もあるという=8月14日

 沖縄そばが、市の文化財に指定されたカンポグランデ市は、ブラジル南西部にある。県系人およそ1万2千人が住む人口85万人の都市の中央市場で8月13日、「そば祭り」が行われた。音楽演奏を楽しんだ訪問団は、テーブルを囲んで一斉に「SOBA」をすすった。

 錦糸卵と真っ黒い牛肉が、こしの弱い麺にのった沖縄そば。つゆは真っ黒だ。一緒に出されたビールに目を丸くした高良倉吉副知事(66)は「かつおだしとは違う味の、新しい沖縄そばだ。ファストフードとしても食べられる」と、食べ方の幅を広げたとみる。

 一方、南米の沖縄そば調査で訪れた製麺大手サン食品(糸満市)の平川宗隆参与(69)は「塩味がきつくて、だしの深みやコクがない。日本人の求める繊細な味と比べると、かなり雑だ」と指摘。メキシコのタコスが、沖縄でタコライスに“進化”したように、異なる食べ物に変化したとみる。

 中央市場で両親が営む「ジャージソバ」を手伝う3世の獣医師、玉城ニウソンさん(30)は、名護市の「我部祖河そば」で3カ月間、そば作りを学んだ。本場のそばは「甘い味」といい、ブラジル人は濃い味が好きで、具も麺も量の多い方が喜ぶという。「沖縄の人は目で食べるから、具もきれいに並べないといけない。カンポグランデのSOBAは味も違うし、沖縄では売れるかなぁ」と話す。

 名護市出身の1世で、そば店を1985年に開業した島田房文さん(81)は、「ブラジル人が食べる味でないと、商売は成り立っていかない」とずばり。独自の進化は、現地の味覚に合わせた結果のようだ。