24市町村で一斉に実施された議会議員選挙の結果から読み取れるのは、新基地建設反対の強固な意思と、保守化の流れだ。

 名護市議選(定数27)では、米軍普天間飛行場の辺野古移設に反対する稲嶺進市長を支える候補14人が当選し、議会の過半数を守った。市政には是々非々だが移設に反対する公明の2人を加えると、反対派は16人に増える。

 2010年の市長選と市議選、今年1月の市長選に続く、政治的には極めて重い民意である。

 一方、宜野湾市(定数26)では、定数が減る中、保守系与党候補が改選前と同じ15議席を確保し、佐喜真市政の基盤を固めた。那覇市に次ぐ大票田の沖縄市(定数30)は、4月に市政を奪還した桑江朝千夫市長を支える与党が改選前と同じ過半数を維持。石垣市(定数22)は、3月に再選された中山義隆市長を支持する与党が1議席増やして14議席の多数を確保した。

 従来の保革の枠組みを超えた「基地ノー」の大きなうねりと、保守化の流れが統一地方選挙で同時に顕在化したのである。11月の県知事選に向けて双方のせめぎ合いは激しさを増しそうだ。

 今のところ県知事選に立候補を予定しているのは、仲井真弘多知事、翁長雄志那覇市長、下地幹郎元郵政民営化担当相の3人。

 仲井真知事の側は7日、会議を開き、41全市町村に支部を立ち上げようと動きだした。政権党を後ろ盾に組織的な強みを発揮し、先行している。

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 知事選の最大の争点はもちろん辺野古移設問題だ。

 名護市議選では「もう済んだこと」との声が一部の市民から聞かれた。それは辺野古の海で政府が強行するボーリング調査によって移設の既成事実化を進める動きと関係する。「反対してもどうにもならない」との空気を意図的に醸成しようとしている。

 争点はもう一つある。

 「県外移設」を掲げ再選を果たした仲井真知事は、「辺野古に固執するのではなく、現実的に移設できる県外を探すべきだ」という趣旨の発言を繰り返してきた。それがある日突然、安倍晋三首相との会談を受けて埋め立てを承認。その後知事は、これまで言ってきたことを変えて、辺野古移設が「最短の方向」だと言うようになった。

 重大な問題の決定過程で説明責任を果たさなかった知事の姿勢を不問にすれば、民主主義は崩れる。

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 統一地方選後に知事選対応を決めるとしていた公明党の対応を注視したい。

 公明党県本部は昨年12月、普天間飛行場移設問題に関する提言書をまとめ、仲井真知事に提出した。過重な基地負担を「差別」と言い切り、「県外移設」を求める内容だ。

 名護市長選で示された民意は、提言の内容を肉付けするもので、ためらう余地はない。

 自公連立の枠組みを重視し辺野古容認の仲井真知事の側に回れば、結果として県民をあざむくことになる。

 これ以上政治不信を広げてはならない。