うるま市の女性遺体遺棄事件で、県警特別捜査本部(本部長・渡真利健良刑事部長)は9日、死体遺棄容疑で逮捕・送検していた元米海兵隊員で軍属の容疑者(32)を殺人と強姦(ごうかん)致死の両容疑で再逮捕した。同容疑者は容疑について「いまは話せない」とし、認否を明らかにしていないという。捜査本部は、同容疑者が刃物や棒などを事前に準備している状況から、暴行を目的に当初から殺意を持って女性を襲った計画的な犯行との認識を示した。那覇地検は同日、同容疑者を死体遺棄罪で起訴した。

質問に答える渡真利健良刑事部長(中央)と伊波一うるま署長(左)、幸喜一史捜査1課長=9日午後3時半ごろ、うるま署

 同容疑者の再逮捕容疑は、うるま市塩屋で4月28日夜、ウオーキング中の被害女性(20)に暴行目的で背後から近づき、殺意を持って棒で頭を殴り、草むらに連れ込んだ上、首を絞めて刃物で刺すなどして殺害した疑い。

 容疑に関する供述や殺害に使用した刃物、物証が乏しい状況での再逮捕について、渡真利本部長は「防犯カメラや携帯電話の通信記録などから足取りを追い、事件の関連品を発見するなど証拠を積み上げた結果」などと説明。強姦致死については、「暴行は未遂だが、暴行目的で傷を負わせ、死に至らしめたことで成立する」との認識を示した。

 刑法には、一つの行為が二つ以上の罪に当たる場合の規定があり、殺人と強姦致死の容疑が両立する。

 被害女性は事件当日の午後8時ごろ、交際相手に「ウオーキングしてくる」と無料通信アプリLINE(ライン)のメッセージを送ったのを最後に、行方不明になった。県警はスマートフォンの通信記録や防犯カメラの解析などから、事件から3週間後の5月19日にフランクリン容疑者から自供を引き出し、死体遺棄容疑で緊急逮捕した。同容疑者の逮捕前後の供述を基に凶器や遺留品の捜索を続け、殺害現場近くの水路から、犯行に使われたとみられる棒や被害女性の自宅と車の鍵などを発見していた。

 捜査関係者によると、同容疑者は当初の調べで「わいせつ目的で女性の頭を棒で殴り、草むらに連れ込んで乱暴した」「首を絞め、刃物で刺して殺害した」などと供述していた。5月20日以降、調べに対して黙秘を続けている。

■翁長知事「怒り限界」

 元海兵隊員で米軍属の男が殺人容疑などで再逮捕されたことに対し、翁長雄志知事は9日、「繰り返される事件・事故に県民の怒りは限界を超えつつある」とするコメントを発表した。

 知事は、国土面積の0・6%にすぎない沖縄に在日米軍専用施設の74・46%が集中し、米軍基地があるが故の事件や事故が長年繰り返されてきたと指摘。「米軍人・軍属等による事件の抜本的な解決を図るため、日米両政府に日米地位協定の見直し、米軍基地の整理縮小など、過重な基地負担の軽減を求める」と、改めて表明した。