【東京】9日未明、尖閣諸島久場島周辺の接続水域内に入る中国海軍のフリゲート艦を海上自衛隊の護衛艦が確認した。防衛省の発表によると、約2時間20分後に接続水域から出たという。領海侵入は確認されていない。尖閣周辺の接続水域ではこれまで中国海警局の船などが相次いで航行してきたが、中国海軍艦は初めて。

2012年に公開された中国海軍のフリゲート艦(防衛省統合幕僚監部提供)

(共同通信)

2012年に公開された中国海軍のフリゲート艦(防衛省統合幕僚監部提供) (共同通信)

 政府は、官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置。安倍晋三首相は、関係省庁や米国などと緊密に連携し、警戒監視に全力を尽くすよう指示した。外務省の斎木昭隆外務事務次官は午前2時ごろ、程永華駐日中国大使を外務省に呼び、重大な懸念を表明し抗議しただちに出域するよう求めた。

 防衛省によると、9日午前0時50分ごろ、尖閣諸島の久場島北東の接続水域に入った中国海軍フリゲート艦1隻は、午前3時10分ごろ、尖閣諸島の大正島の北北西の接続水域から出て北に向かったという。警戒監視していた海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」が確認し国際通信で呼び掛けをした。中国側の返答は明らかにしていない。

 また、8日午後9時50分ごろには、ロシア海軍の駆逐艦など3隻も久場島と大正島の間の接続水域に入り、9日午前3時5分ごろに出た。海自の護衛艦「はたかぜ」が確認した。

 接続水域の航行は、沿岸国の平和や安全などを害しない限り、国際法上問題ない。ロシア軍艦はこれまでも尖閣諸島周辺の接続水域を航行したことがある。

 菅義偉官房長官は会見で、「中国が尖閣諸島に関する独自の主張を行い、海軍艦艇を尖閣諸島の接続海域に初めて入域させたことは、緊張を一方的に高める行為で、わが国としては深刻に懸念をしている」と述べた。