骨髄移植(BMT)という治療法についてはよく知られるようになってきました。白血病や悪性リンパ腫などの造血系腫瘍、再生不良性貧血、一部の固形腫瘍等の最後の頼みの綱となる治療法です。BMTは提供者の骨に注射針を刺して骨の中にある骨髄液を吸引し、患者さんに点滴で入れる方法です。口で言うと簡単なようですが、いろいろな難しい条件があります。

 BMTを成功させるには骨髄液を提供する人(ドナー)と患者さんのHLAを合わせる必要があります。HLAというのは白血球の型で、これは非常に多くの型があり人種差もあります。遺伝的に決まるため、きょうだい間では25%の一致率がありますが、少子化の現在ではきょうだいからドナーを探すのは難しくなっています。一般の人では数百人~数万人に1人しかHLAは一致しません。きょうだい、血縁家族にHLAの合う人がいない揚合のため、1992年に骨髄移植推進財団が設立され日本骨髄バンク(以下バンク)はできました。

 ドナーになることを希望する人はHLA検査のために2~3ミリリットルの血液を採り、用紙に住所、氏名、連絡先等を記入し提出すれば登録完了です。ちなみにドナー登録は18歳から55歳未満の年齢制限があります。ドナーのHLAはバンクに登録されます。一方で移植を希望する患者さんは主治医を通して、ドナーの検索をバンクに依頼します。HLAの合ったドナーが見つかった時からバンクを介してのBMTがスタートします。

 患者さんとHLAが一致した時、バンクのコーディネーターから連絡が来ます。そして意思確認のための面接が行われ、バンクの委嘱した調整医師から実際の移植のやり方や合併症の話、全身麻酔の問題点などの話があります。

 骨髄液の採取は手術室で全身麻酔をかけて行われます。骨髄液の提供の意思確認後、健康状態のチェックのための採血がされます。ドナーの健康状態に問題がなければ最終同意の面談になります。この席には本人の家族、第三者の立会人の同席も求められます。話し合いの結果最終同意した後は、原則として同意の撤回は認められません。それまでに家族とも十分に話をして理解してもらう必要があります。約4日間の入院が必要になりますが、休業補償はありません。

 その後BMTの日程や骨髄液採取病院が決定し、採取病院での健康診断があり、移植の日を待つことになります。(骨髄移植推進財団調整医師・新垣義清・まちなと小児クリニック)