ビジネスの成否は“主権者”の顧客に、商品やサービスを通して、いかに満足を感じてもらえるかにかかっている。沖縄タイムス社の「輝く経営未来塾」でメーン講師を務める大久保寛司さんが説き続ける

 ▼同種の商品であっても売れ行きが違う。来店者数に差がつく。顧客重視と言えば簡単でも、実践の難しさに悩む企業は多いだろう

 ▼全国の特産品店がひしめく東京・銀座に「銀座わしたショップ」はある。激しい集客競争の中でも、有数のにぎわいを誇っている

 ▼沖縄ブームで沸き、その反動にさらされ、景気の波にもまれながら、業績は浮き沈みを繰り返した。東日本大震災後も落ち込んだ。渡久地政和支配人によると現在、回復が速まりつつあるという。1人あたりの購買額ではなく、来店者数が増えて下支えしている

 ▼昨年着任した渡久地さんは、お客さんとふれ合う店づくりを目指した。目当ては商品でも、来店者の多くは沖縄について話がしたい。会話が弾めば顔を覚えられ、名刺も渡せれば、目当てに何度も来てもらえる。見えない顧客満足の提供が効いている

 ▼県産品は、営業しても見向きもされない時代があった。今では「あの商品置いてないの」と求められるまで浸透した。開店20周年を迎えた銀座わした。細やかな工夫で、沖縄に頼もしい顧客を生み続けている。(宮城栄作)