地滑り発生の恐れがある危険箇所当たりの住宅数は、沖縄が全国平均の5・5倍にあたる約220戸と全国最多であることが内閣府沖縄総合事務局の資料で分かった。危険箇所が集中する本島中南部を中心に、人口増加に伴う宅地拡大が進んでいることが背景にある。専門家は「土砂災害のリスクが十分に認識されていない」と指摘する。(矢島大輔)

 国土交通省は2002年、「地すべり」「土石流災害」「急傾斜地の崩壊」の恐れがある地点を「土砂災害危険箇所」と定めた。県内は1032カ所と全国で最も少ないが、そのうち地滑りに限った危険箇所(88カ所)に住宅が密集している現状が明らかになった。

 本島中南部は島尻層群泥岩で形成され、長雨で地滑りが起きやすい。そのため、この地層に地滑り危険箇所が84カ所と集中している。国交省や県の統計などを基に試算した沖縄総合事務局によると、この地層の面積当たりの危険箇所数の比率(0・21%)は、全国平均の7倍に上る。鈴木啓介河川課長は「本土復帰後からの急激な人口増加に加え、土砂災害リスクが十分に認識されていない可能性がある」と分析する。

 県内では近年、土石流災害の記録はないが、地滑りと崩壊が幾度となく起きている。中城村では06年、長さ500メートル、幅250メートルにわたり斜面が崩れ、49世帯174人に避難指示、33世帯108人に避難勧告が出された。南城市では07年、特別養護老人ホームの裏山の急斜面が崩れ、土砂が施設内に入った。

 多数の死者・行方不明者が出た広島市の土砂災害を受け、国は今月、危険箇所を住民に知らせ、月内に避難態勢の緊急点検をするよう都道府県に呼び掛けた。県は危険箇所を示す「沖縄県地図情報システム」をネット上で公開している。http://gis.pref.okinawa.jp/pref‐okinawa/top/