琉球国時代に渡来した中国人の居留地に由来する久米村(クニンダ)(現在の那覇市久米付近)の歴史を紹介する企画展「久米村-琉球と中国の架け橋」(主催・沖縄県立博物館・美術館)が12日、同館で始まった。10月19日まで。久米三十六姓の子孫でつくる久米崇聖会が、創立100周年事業として共催している。

久米村の歴史と文化に関する資料が並ぶ「久米村」展=12日、県立博物館・美術館

 久米村人は、中国との交流で身につけた語学や技術を発揮。王府内で特別の役割を果たし、独自の文化を育んできた。展覧会では、外交や交易に果たした役割を知ることのできる資料、書などの作品、現代の年中行事まで、久米村の姿を多角的に知ることができる。

 沖縄県内で初めて展示する資料も。久米村人が廃藩置県前の琉球に駐在した福島県出身の元官僚に贈った漢詩は、138年ぶりに沖縄へ戻った。東京に移った子孫が保管していた久米村人の漢詩集からは、近代になっても漢詩の技術を磨いた久米村人のアイデンティティーを見ることができる。

 1914年に設立された久米崇聖会は現在、久米至聖廟(びょう)などの再建、管理や久米村の文化の勉強会を開催している。同会の大田捷夫理事長は「私たちの祖先は廃藩置県で役職を失い、苦労した。10・10空襲で多くの資料を失ったが、戦禍から立ち上がり文化を継承してきた。このような展覧会を開いていただき感謝している」とあいさつ。仲井真弘多知事は「私も久米村の流れ。勉強させていただきたい」と述べた。

 期間中は関連企画がある。13日午後1時半から「琉球の海外交易と久米村」、27日午後1時半から「琉球王国の学問・共用と久米村」と題しシンポジウムがある。また、民俗芸能の公演や館内のカフェでは久米村由来の菓子を提供する。