【名護】名護市辺野古のキャンプ・シュワブ沖で12日正午前、米軍普天間飛行場の返還に伴う新基地建設に反対する市民5人が、抗議の最中、海上保安庁に一時拘束された。午後1時30分までに全員解放された。市民側は「事前警告なく拘束され、帽子などをはぎ取られて顔写真を撮られた」と反発。海保側は刑特法違反による排除として「顔を隠しているので取ってもらった。本人確認の正当な業務行為」と説明している。

海上保安庁の職員に拘束される男性(写真左)=12日午前11時45分ごろ、名護市辺野古沖(篠原知恵撮影)

 現場はフロート外で、制限水域内。同日午前、カヌー約10艇と船4隻が浮桟橋付近で抗議。

 海保側はゴムボートで取り囲み、カヌーを強制排除。男性3人、女性2人が拘束された。海保から拘束直前の注意や警告はなかったといい、拘束された5人全員が初めて顔写真を撮影された。

 市民に現場で刑特法を拘束理由として明言したこともこれまでにない。

 このうち1人の女性(35)は拘束後、名前を聞かれて答えなかったところ、顔写真を撮ると言われ「髪をつかまれ、帽子やサングラスをはぎ取られて写真を撮られた」と話した。

 海保側は、5人が立ち入り制限水域内に入ったとして「拘束した市民は何回も法令違反を犯している。対応は本人確認のもので、現場の保安官は適切に対処した」と説明している。

弁護士「法的根拠ない」

 海上保安庁が拘束した5人の顔写真を撮影したことについて、三宅俊司弁護士は「犯罪行為があって逮捕したわけでもなく、あくまでも個人を特定する資料集めのためにやっている行為であり、法的根拠はない。プライバシーの侵害であり、肖像権の侵害だ」と指摘。

 犯罪の恐れのある者を、事前に拘束する予防拘束は違法だと例を挙げた上で「資料集めのための写真撮影は許されず、権限の乱用だ。そもそも強制する根拠法を明らかにするべきだ」と求めた。