プロ野球シーズンは終盤を迎えた。今季、中日に入団した浦添市出身の又吉克樹投手(23)が大方の予想を上回る活躍で、セ・リーグ新人王の有力候補になっている

 ▼中継ぎとして14日までに59試合に登板。ほぼ2試合に1回のペースで投げ、救援投手陣の柱の一人に成長した。現在9勝を挙げ、一流投手の証しとなる2桁勝利まであと1勝だ

 ▼特筆すべきは奪三振率の高さ。右横手の変則フォームから投げる最速148キロの速球は見た目以上に打ちにくいのだろう。ヤクルトのバレンティン選手、広島のエルドレッド選手などの強打者が振り遅れ、バットが空を切る場面が多く見られる

 ▼浦添中、西原高時代は無名の補欠球児。同学年の東浜巨投手(ソフトバンク)らの活躍を「別世界の出来事」のように見ていたという。岡山県の環太平洋大で飛躍的に成長し、四国の独立リーグで活躍したが、県内では無名のままだった

 ▼昨年末に取材した際、「沖縄では又吉って誰よ、っていう感じでしょうね」と笑っていたのが印象に残る。「自分が活躍すれば、多くの補欠選手の励みになるはず」とも話していた

 ▼プロ野球の長い歴史の中で沖縄出身の新人王は一人も出ていない。ライバルは多いが、獲得すれば歴史的快挙だ。来春の北谷キャンプにはタイトルホルダーとして帰ってきてほしい。(田嶋正雄)