【南城】南城市の観光施設おきなわワールドで展示していた進貢船の復元船「南都丸」の廃船式が15日にあった。船の帆を下ろす畳帆(じょうはん)の儀や三線演奏、読経を通して関係者は22年間、沖縄観光で活用した船へ感謝の気持ちを表した。船は30日まで展示した後、解体する。

玉泉洞開園20周年を記念して建造された「南都丸」の廃船式で、帆が下ろされた=南城市、おきなわワールド

 同施設を経営する南都の大城宗直社長は「すばらしい造船の技と船があったからこそ王朝は繁栄した」とあいさつ。沖縄華僑華人商工連合会の張世險峰(はりせ・けんほう)会長は「中国から多くの人が沖縄に来て、造船や航海技術を伝えた。大交易時代の友好関係を保てるようかけ橋になりたい」と廃船を残念がった。

 南都丸は全長31メートル、幅8メートル、高さ7メートルの総工費1億2千万円。中国との交易で使用された進貢船を復元したもので玉泉洞開園20周年を記念し1992年に建造された。展示当初は観光客も乗船し見学できた、という。

 進貢船は中国でも資料を収集して細部まで再現。しけを起こすと信じられていた竜を威嚇するムカデを描いた旗も掲げる。南都は30日まで施設内で企画展「大交易時代と進貢船」を開く。南都丸や企画展見学は大人620円、4歳―中学生は310円の入園料が必要。

 南都丸を造船した故越來文治さんの次男で船大工の治喜(なおき)さん(61)=うるま市=は「船が沖縄観光に寄与したことは船大工としても感無量。木材を曲げる曲線美の技術継承のため、また発注があればうれしい」と期待した。