日曜や祝日になると、学生や子ども連れが増え、平均年齢が若返る名護市辺野古の米軍ゲート前。休みの日にしか来られない彼らに代わり、新基地反対を訴えてほぼ毎日、テントに座り込む多くは60歳を超えた方だ

 ▼新顔には気さくに声を掛け「どこから来たの?」「アメ食べて」。三線を手に歌い、カチャーシーを舞う。粘り強くたくましく、何より元気で明るいその姿に、取材するこちらも勇気をもらう

 ▼おじい、おばあと親しみを込めて呼ばれ、人懐こい笑顔ばかり注目されるが、心身を削り、人生の時間を割いて権力に立ち向かうウチナーの先輩の強さは心にしみる

 ▼戦争を知らない世代も多い。だが戦後沖縄の復興を支え、米軍統治下、理不尽な思いを抱えて闘いの歴史を歩んだ彼らは、政府に躊躇(ちゅうちょ)なく「NO」を突きつけ、時には声を荒らげて抗議する

 ▼その姿は、デモとは縁遠い現代の若者には唐突にも映る。「国の決定に反対するのか」「抗議が大げさだ」。そんな声を聞くと、平穏な時間を生きる世代には理解できないのかもと歯がゆい

 ▼「敬老の日」の15日、杖(つえ)をついてテントに通う辺野古の島袋文子さん(84)に、「島ぐるみ会議」から寄せ書きが贈られた。「皆さんのパワーをください」と文子さん。まだ闘うつもりだ。任せっぱなしでいいのか、と心に問うた。(儀間多美子)