「入るを量りて出ずるを制す」とは、収入の予定をよく吟味してから、支出を計画するとの故事で、財政立て直しについての古今の鉄則といわれる

▼現実になかなか守られないのは、1千兆円を超える国の借金が示す。来年度の予算規模は初めて100兆円を超えそうである。きちんと査定されるのか、将来の負担と不安の間を視線が行き来する

▼沖縄振興予算も増額が見込まれる。大概の事業に充てられる一括交付金も大きく増えそうだ。政府戦略の反映とされる増額要求だが、入りの源は国民の税金だから、出の計画はしっかりと精査されるべきだろう

▼一括交付金は、制度創設から3年目を迎えている。「継続案件が多いが、事後評価がしっかりできていない事業がある」「安易にハコモノに頼っていないか」。事業の費用対効果の見極めを求める内閣府官僚の指摘を聞いた

▼財政難の折である。沖縄の歴史や過重な基地負担の現状をそっちのけにした一方的な「沖縄優遇論」につながりやすい雰囲気もある

▼「玄人には得意の手はありません」。将棋の大山康晴十五世名人が語っていたという。定跡にこだわらず、駒を使いこなしてこそプロということであろう。自治体のプロ職員には、既存の枠にとらわれず、住民ニーズをくみ取ったこん身の事業立案が期待されている。 (宮城栄作)