知事選に臨む下地幹郎氏は政策発表で、普天間飛行場の名護市辺野古移設の是非を県民投票で決める方針を強調した。賛否が分かれる問題に直接民主主義の手法を採用することで、県民の民意を尊重する姿勢を示した格好だ。一方、沖縄のリーダーを目指す政治家が最大の政治判断を棚上げすることにもなり、下地氏の判断を有権者がどう評価するかが焦点になる。(選挙取材班・吉田央)

下地幹郎氏の政策(抜粋)

 普天間問題で下地氏は、自民党所属の衆院議員時代に嘉手納統合案を打ち出し、波紋を広げた。

 その後もキャンプ・シュワブ陸上案、安波移設案、暫定的な辺野古移設などを次々に提示。「ぶれる政治家」と批判されながらも、自身の信念に基づき具体的な解決策を主張するのが持ち味だった。

 県民投票は県民の意思に寄り添う政策である一方、持論の“封印”でもあり、有権者にとっては下地氏が辺野古移設賛成に進むのか、埋め立て承認を撤回するのか、確証のないまま投票することにもなる。

 一方、民主党連立政権時代に閣僚を務めるなど豊富な国政経験を生かし、経済・教育・福祉政策では具体的な政策を掲げた。

 学力向上と子どもの貧困対策を目的とした中学3年までの教育費完全無償化では、193億円という必要財源を明記し、県内総生産6兆円の達成など随所で数値目標を示した。

 ただ、政策には国頭村から南城市を結ぶ高速道路の整備や、国際通りの地下道建設、5万人規模のコンベンションセンター建設など、多額の費用が掛かる項目も列挙した。

 下地氏は実現の鍵となる政府の沖縄振興予算で「10年5千億円程度の予算を要求する権利がある」と述べたが、復帰後の振興予算は最大でも4700億円で、ハードルは高い。

 政策実現に向けた財源や根拠の詳細な詰めが課題になりそうだ。