「雑誌掲載ブランドも、全部値下げでございます!」。閉店まであと4日に迫った18日、那覇市の沖縄三越では、最大8割引きのセール商品を買い求める客でにぎわった。従業員が声を張り上げる中、閉店を惜しみ涙を流す客も。国際通りの「シンボル」が、57年の歴史に幕を下ろそうとしている。21日に閉店する。

沖縄三越の最終セールでにぎわう売り場=18日、那覇市牧志(伊藤桃子撮影)

 午後3時半、1階のファッション雑貨売り場では、客の輪の中に大量のバッグを抱える従業員がいた。「元値1万5千円が5千円です」。商品が売り場に置かれると同時に、客の手が四方八方から伸びた。

 エレベーターの前は列が絶えない。婦人服コーナーでは商品を渡しながら深々と何度も頭を下げる従業員の姿に涙し、はなをすすりながら階段を駆け下りる常連客もいた。

 担当者によると一日の売り上げ目標を達成した時に店内でかかる曲が、閉店セール中はほとんど毎日流れているという。

 那覇市の伊志嶺和子さん(79)は、10年ほど前から月1回、7階のレストランでいとこ同士の模合を開いている。「今ちょうど最後の模合に行ってきたところ。もう本当に残念だね」と肩を落とす。

 閉店が発表された5月には、約10万円分の買い物券が残っていた。「1人では使い切れないから、夫や嫁にもあげた」

 伊志嶺さんはブラウスを買って商品券を使い切り、名残惜しそうに店を後にした。