国会は安倍晋三首相を中心とした自民党「1強」体制が続いている。

 第2次安倍改造内閣発足後に行われた共同通信の世論調査によると、自民党の支持率は42・0%で前回調査から6・1ポイント上昇した。野党第一党の民主党は3・3ポイント減の4・7%と差がさらに開いた。

 その他の野党も日本維新の会3・1%、共産党2・6%、公明党2・3%、みんなの党1・3%、社民党1・0%、結いの党0・7%、生活の党0・3%など、軒並み低迷した。

 安倍政権の支持率がこれほど高いのはなぜなのか。政権が掲げる経済政策「アベノミクス」と、他に政権を託せる政党がないという国民の判断の表れだろう。

 「多弱」といわれる野党はどう存在意義を見いだすのか。29日からの臨時国会を前に動きが出てきた。

 日本維新の会、結いの党が合流し、新党「維新の党」を21日、旗揚げした。政権担当可能な勢力の形勢に向け、民主党やみんなの党の一部を巻き込んだ野党再編が目標だ。

 しかし共同代表2人のスタンスはかみ合っていない。安倍政権に是々非々の立場で臨む橋下徹氏に対し、江田憲司氏は政権との違いを打ち出すべきだと対決姿勢を強める。集団的自衛権をめぐる重要政策の隔たりも埋まっていない。党としてまとまるのか、野党再編の行方とともに先行きは不透明だ。

 みんなの党は、野党再編に軸足を置く浅尾慶一郎代表と安倍政権との連携強化を主張する渡辺喜美前代表の路線対立から再分裂含みである。

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 支持率低迷が続く民主党は役員人事を行い、新たな顔ぶれで党勢回復を図る。政権時代に中枢を担った岡田克也氏や枝野幸男氏らを執行部に入れ、挙党態勢の形を整え、背水の陣で臨む。

 党内には集団的自衛権の行使容認をめぐる意見対立や消費税増税への他の野党と違う立ち位置など、一筋縄ではいかない問題も抱える。これまで、重要政策で意見が集約できなかった「ばらばら感」をどう払拭(ふっしょく)するか。対立を避ける内向きの党運営では展望は望めない。

 本をただせば、政権を担った民主党が迷走したあげく、有権者に見放され弱小野党に転落したことが現在の政治状況を招いたのである。民主党は野党として、安倍政権へ明確な対立軸を打ち出す必要がある。野党の体たらくは、安倍首相「1強」をさらに利するだけである。

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 国会の「1強多弱」状態は極めて危険である。冷戦期は「55年体制」の下、野党第一党の社会党が自民党政権の監視役となっていた。

 今、国会に巨大与党をチェックする機能がないことは、民主主義にとって危機的状況である。

 与党に対抗する政権交代可能な野党の存在は民主政治に不可欠だ。集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定など、安倍政権の手法には国民の懸念は大きい。徹底した国会論議こそが批判勢力としての野党の存在意義を示すことになる。