戯曲「人類館」で知られる劇作家、知念正真さん(享年71歳)が10代のころ、短歌などを寄せた同人誌「夜と詩(うた)」を復刻した「ちねんせいしん追悼誌『夜と詩』再見」が、当時の同人の手で出来上がった。非売品で、今月25日の知念さんの一年忌に仏前に捧げる。同人で映像作家の謝名元慶福さん(72)は「知念正真のその後の芝居や劇作につながる思想が出ている。仏前に供えるのはこれしかないという思いだった」と話している。(城間有)

「夜と詩」の同人、(前列右から時計回りに)謝名元慶福さん、當山久雄さん、喜屋武英夫さん、渡慶次薫さん=19日、沖縄タイムス社

 「夜と詩」は、謝名元さん、當山久雄さん(73)、俳句の喜屋武英夫さん(同)、渡慶次薫さん(同)ら、コザ高校15期の同期生だった8人が高校卒業後に立ち上げ、1960年から62年までに5号を発行した。

 知念さんは短歌と詩を寄せており「思えば僕たちは長い間、本当に長い間獣と間違えられて生きてきました」など、「人類館」につながるような表現もみられる。

 8人は毎晩のように當山さんの家に集まっては、文学や演劇、音楽などとりとめもなく語り合った。「街に出ては喫茶店でコーヒーを飲みながら語り、ぶらぶらと歩いてまた公園で語り合う」という具合で、10代後半の時期を過ごした。その後それぞれ県外へ行き「夜と詩」は5号で終わったが、友情は続いた。

 追悼誌には、「夜と詩」のほか、コザ高校文芸クラブの文芸誌や、二松学舎大学短歌会の歌誌に掲載された知念さんの短歌も収録している。表紙には若き日の知念さんの肖像画。「夜と詩」の表紙画を当時担当した島袋英男さんが描いた。

 當山さんは「今読むと赤面するものも多いが、正真もあのころに戻って笑って読んでくれるのではないか」と友人に思いをはせた。

 「『夜と詩』再見」に関する問い合わせは謝名元さん、電話080(3225)1854。