薬物依存症からの回復支援に取り組む沖縄ダルク(森廣樹代表理事)の開設20周年を記念したフォーラムが20日、那覇市の県男女共同参画センターてぃるるで開かれた。テーマは「Constant Change~絶えざる変化」。OBや県内外の依存症当事者、家族、支援者らが集まり、薬を使わない人生の喜びを分かち合い、回復を目指して1日を積み重ねる誓いを新たにした。

AKIRAさん(右)のトークライブでは田代まさしさん(中央)も体験や思いを語った

 沖縄ダルクは、太鼓演舞(エイサー)をプログラムに取り入れている。地域の催しでも披露しており、練習を通じた仲間との連帯感や達成感、人に喜んでもらったと感じることで自己肯定感を高められる-などの効果で回復につなげる特徴的な取り組みだ。今回はそのエイサーと、びわこダルク、茨城ダルク、富山ダルクの混合メンバーによる和太鼓が共演した。参加者もカチャーシーで飛び入り参加し、一体となって盛り上がった。躍動的なリズムに乗って汗をかき、「しらふ」で感じる楽しさに、笑顔の輪が広がっていた。演奏の後、沖縄ダルクのメンバーの1人が、客席からステージ前に自身の母親を招き、感謝の花束を手渡した。県外から駆け付けた母親は、かつて暴力団組織に身を置いていた息子の変化に「生んでくれてありがとうという言葉を聞いただけで、もう…」と涙で言葉を詰まらせた。しっかりと抱き合う親子の姿に会場から大きな拍手が起きた。

 森代表理事はスタッフとともに壇上に立ち「これからずっと、もっと変わっていきたい。沖縄ダルクとして絶え間ない成長をしていきたい」と決意を述べた。ダルク創設者で、日本ダルク本部代表の近藤恒夫さんも参加。沖縄ダルク開設時、親身になってくれた地元の人のアドバイスがあってエイサーを取り入れたことなど、思い出話も含めて振り返った。回復は地域の受け入れに比例する、と常々語っている近藤さん。「多くの人に(沖縄ダルクを)支えていただきました。20年前、沖縄に上陸してよかったと思った」と喜んだ。

元タレント田代さん「仲間が力に」体験語り誓い

 フォーラムには、現在日本ダルク本部で研修中という元タレントの田代まさしさんも参加。「1日1日、薬をやめる努力をしていきたい」と決意を述べた。

 ステージ上に田代さん含めて2人の薬物依存症者が登壇、それぞれが体験を語り、その内容に合わせた曲を栃木県在住のマルチアーティストAKIRAさんが歌う形式でトークライブが行われた。

 「ずっと1人で薬をやめようと頑張ってきた」という田代さん。「薬をやめ続けていく仲間と接して勇気をもらえた。こうして話す機会もリハビリになるし、止め続けている仲間に守られているような感覚」と話し、薬物を使わない新しい生き方を身に付けるために、同じ立場で歩む存在が大きな力になることを語った。

 また「ひとときの快楽のために全てなくなった。そんな思いをしてまでも手を出してしまう。薬の怖さを感じたし、どうにもならない自分がいることに自分自身が納得いかない気持ちもある」と、薬物依存の苦しみと葛藤も率直に語った。さらに「これからも薬を止めていくことで、今も支えてくれている人の恩返しになると思う」と誓った。