神戸市長田区で行方不明になっていた小学1年の女児が、自宅から100メートルしか離れていない住宅街の雑木林で遺体となって発見された。

 兵庫県警は死体遺棄容疑で近所に住む47歳の男を逮捕した。

 公開された、日傘を差して歩くあどけない少女の写真が目に焼き付いている。明るく活発な子で運動会でダンスを披露するのを楽しみにしていたそうだ。

 行方不明となって14日目。「無事に帰ってほしい」との祈りは届かず、最悪の結末となった。

 県警によると、遺体は切断され、複数のポリ袋に入れられていた。

 あまりにむごい。理不尽である。わずか6歳の少女の計り知れない恐怖と、家族の悲しみを思うと、慰める言葉が見つからない。

 遺体が発見された場所が、少女の自宅と極めて近かったことに少なからず驚いた。昼でもほとんど人通りがないというから、死角になる場所なのだろうか。

 容疑者の男は、不可解な行動が目撃されていた情報もある。警察も防犯カメラに映る不審人物として、行方不明から数日後に容疑者宅を訪ねている。

 共働き世帯が増え、地域のつながりが弱まる中、放課後の子どもの安全をどう守ればよいのか、親たちは頭を悩ませている。

 「なぜ幼い子を」「残忍な方法で」。家族の憤りや社会の不安に応えるためにも、全容解明を急いでほしい。

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 子どもを連れ去る事件は後を絶たない。

 7月に岡山県倉敷市で下校途中の小5の女の子が、男に車で連れ去られた事件は記憶に新しい。少女は5日後に無事保護され、男は監禁容疑で逮捕された。

 1月には、神奈川県相模原市で小5女児が、同月、北海道札幌市で小3女児が、一時行方不明になる事件もあった。

 まだ明るいうち、家や学校の近くで、防犯機器を所持していたにもかかわらず、事件は起きている。

 2013年警察白書によると、13歳未満の子どもが連れ去られたり、誘拐されたりした事件は1年間に95件発生している。成人を含めた被害全体の半分を占め、増加傾向にある。

 子どもが「ただいま」と元気に帰るまで心が休まらない、そういう時代になりつつある。

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 今回の事件は、子どもが犯罪に遭わない街づくりという重い課題を突きつける。

 倉敷の監禁事件で犯人逮捕を後押ししたのは、近隣住民が記憶していた車両情報だった。危険に対する厳しい「目」と、子どもを見守る温かい「目」の両方が必要なのだ。

 放課後の居場所づくりも重要である。防犯教室などで子ども自身が危険を回避する力も身に付けさせたい。

 24時間付きっきりでいることができない以上、地域の協力、学校での防犯訓練、家庭での安全教育など、できる限りの取り組みと工夫で二重三重の対策を講じるしかない。