聴覚障がい者のスポーツ大会「第48回全国ろうあ者体育大会」(全日本ろうあ連盟主催)が27、28日、沖縄県内で初めて開かれる。陸上、バレーボールなどの10競技に監督、選手ら総勢1100人余が参加する。県勢は軟式野球、卓球、バレーボール、陸上、テニス、ボウリングの6競技に56人が出場する。

全国ろうあ者体育大会で勝利を目指す県聴覚障害者協会女子バレー部で、正確なトス回しの起点となるセッター高良美樹(右)

意気込むバレー部のメンバー=20日、サン・アビリティーズうらそえ

全国大会に向け意気込む野球県代表チームの選手ら=17日、コザ運動公園サブトラック

全国ろうあ者体育大会で勝利を目指す県聴覚障害者協会女子バレー部で、正確なトス回しの起点となるセッター高良美樹(右) 意気込むバレー部のメンバー=20日、サン・アビリティーズうらそえ 全国大会に向け意気込む野球県代表チームの選手ら=17日、コザ運動公園サブトラック

 地元大会で勝利を目指す県代表2チームを紹介する。

■女子バレー 誇る連係

 県聴覚障害者協会女子バレー部は、5月の全国障害者スポーツ大会九州予選で優勝した強豪チームだ。今回のろうあ体育大会には、高校1年生から社会人までが出場する。大会前最後の練習となった20日、男子チームとの実戦で汗を流した。

 チームの要はセッター高良美樹(23)。「切り替えよう」「元気出していこう」。大きな声と手話でチームを引っ張る。昨年ブルガリアで開かれた聴覚障がい者の五輪「デフリンピック」日本女子代表で銀メダルを獲得した。

 「レシーブしたボールはすべて、アタッカーが打ちやすいようにトスを上げるのが仕事」と軽快なフットワークで駆け回る。選手たちの聞こえの程度はさまざまで、サインとアイコンタクトを密にして連係プレーをこなす。

 「聞こえる、聞こえないは関係ない。初の沖縄大会をぜひ見てもらい、デフバレーを広めたい。正々堂々とプレーし、障がいのある子に夢と希望を与えたい」と意気込む。

 主将の島尻真鈴(23)はバックアタックもできる攻撃の柱。「初の沖縄開催でプレッシャーは大きいが、声援を背に勝ちたい」。島尻寛俊監督(61)も「集まれる機会が少ない中で、コンビプレーも練習してきた。地元大会を勝ち上がりたい」と力を込めた。(大門雅子)

■野球 新生チーム躍動

 野球競技に開催地枠で県代表チームが参加する。全国大会出場は県内初。大会実行委員会の我喜屋健事務局長は「とてもうれしい。とにかく1勝を目指して頑張ってほしい」と期待する。

 5月に発足したチームは、19~27歳で12人の若いチーム。主将を務める高良昌莉(20)は沖縄ろう学校高等部3年生の時、全国大会が県内で開かれることを知った。「また野球をやりたい」。5歳から豊見城中3年まで続けていた野球での出場を決意し、仲間集めに奔走した。

 メンバーのうち野球経験者は5人。大半が未経験のためルールから説明、地道に練習を重ねた。今月行った社会人チームとの練習試合は1勝1敗1分け。高良主将は「調子は上がっている。優勝したい」と自信をのぞかせる。

 二塁手の松尾裕也(20)は大会出場をきっかけに野球を始めた。「野球ができたらなとずっと思っていた。本当に楽しい」と頬を緩める。

 ほぼ全員が生まれつき耳が聞こえない。高良主将は「プレーに支障はない」と断言する。手話や身ぶり手ぶりでコミュニケーションを取り合う。みんな視野が広く、守備でも周りがよく見えているという。

 沖縄ろう学校職員で、浦添商業高野球部コーチも務める真玉橋克彦監督は「何より野球の楽しさ、チームプレーの素晴らしさを感じてほしい」。全国の舞台で新生チームが躍動する。(勝浦大輔)