【伊江】1964年から伊江島方言の調査研究を続けている名誉村民の生塩睦子さん(73)を招いた「感謝の集い」がしまくとぅばの日の18日、村環境改善センターで開かれ、関係者約100人が半世紀にわたる調査研究の偉業をたたえた。

イージマグチで民話を朗読した子どもたちと生塩さん(中央)=18日、伊江村

 生塩さんは広島大学在学中に初めて島を訪れ、「イージマグチ」が急激な本土化で衰退の危機にあると痛感。以来、年2~3回のペースで訪れ、しまくとぅばや昔話の聞き取りを続けてきた。

 本土復帰前には琉球大学で琉球方言を学び、イージマグチに関する論文も多数発表した。94年に「伊江島のはなしことば」、99年に1万2千語収録の「沖縄伊江島方言辞典」を発刊。2009年には「新版沖縄伊江島方言辞典」を発刊し、イージマグチの記録継承に貢献してきた。現在も「伊江島のことわざ」と「伊江島の民話第2集」の発刊に向け、意欲的に取り組んでいる。

 集いで生塩さんは「イージマグチを生活の中へ」をテーマに講演した。「イージマグチは音節数が突出して多く、日本語の変化を探る上でとても貴重」と説明。村民が「熱意、寛容、勇気」を持ってさまざまな場面で使い続けるために、行政が中心となった一元的な継承組織の結成が急務だと訴えた。

 集いに出席した島袋秀幸村長は「名誉村民の生塩先生が伊江島方言を研究して50年目の祝賀の宴。島人みんなで先生にお礼を申し上げましょう」とイージマグチであいさつ。子ども会リーダーが民話を朗読し、婦人会員が「わらべ歌」を合唱した。進行やあいさつすべてにイージマグチが入り、会場が盛り上がった。

 民話を朗読した具志川慈琉さん(12)は「イージマグチはとても難しかった。これからも、おじい、おばあに方言を習って上手になりたい」と話した。