「闘わない政党は政党ではない」。民主党県連の喜納昌吉代表(66)は今月初め、そのような危機感を話していた。ここ数年、県内を二分する主要選挙で、同県連は独自候補を擁立できず、自主投票が続いている

 ▼喜納氏は24日、県知事選に出馬を表明した。現時点で、現職の仲井真弘多氏(75)、那覇市長の翁長雄志氏(63)、元郵政民営化担当相の下地幹郎氏(53)が名乗りを上げている

 ▼その中でも、「花」などのヒットで知られる音楽家でもある喜納氏は異色の存在だ。2004年の参院選比例区で初当選後、県連代表などを務めてきた

 ▼政治経験が浅いだけに、政党間の協議でも一方的な発言になりがちで、議論を紛糾させることも少なくない。一方で、当選回数や役職など政界の秩序を飛び越え、党幹部に談判する行動力もある

 ▼立候補の大義名分は名護市辺野古への新基地建設に反対し、「埋め立て承認の撤回を明確に提言する」ことだ。党本部は自主投票を決め、喜納氏を公認、推薦せず、出馬した場合は処分を検討するという

 ▼民主党は県外移設を「公約」しながら、辺野古移設に回帰した矛盾を突き付けられた格好だ。喜納氏が最終的に立候補するかは依然、不透明といわざるを得ない。大局的な見地での判断がなければ、県内政界のトリックスターとなりかねない。(与那原良彦)