先日、小学校のPTA作業で校内の草刈りをした。夏の間、伸び放題だった草の陰に外来の大型カタツムリ、アフリカマイマイが数えきれないほどいて閉口した

▼危険な寄生虫がいる可能性もあり、植物防疫法で有害動物指定の厄介者。駆除すべきかと思案していると、低学年の子が近寄ってきた

▼「何でアフリカマイマイは殺してもいいの?」。不意に問われて返答に窮した。いや別に好きで殺すわけじゃないと、なぜか心の中で言い訳する自分がいる

▼3年前の9月、不慮の水難事故で48歳の若さで亡くなった琉球大准教授の小倉剛さんを思い出した。マングース防除研究の第一人者。やんばるの森から外来哺乳類がいなくなる日を夢見た誠実な研究者だった

▼マングースの効果的な駆除法を探りながら、「動物が好きで動物学者になったのに、動物を殺す方法ばかり考えている」と自嘲気味に語った姿が忘れられない。外来種も被害者であり、命に変わりはないというスタンスは不変だった。生き物をただの研究対象としない温かみと真剣さがあった

▼アフリカマイマイもマングースも、もともと沖縄にいなかった。生態系を守るため野放しにはできない。だが、外来種問題に向き合うとき、亡き研究者が繰り返した言葉は胸に刻みたい。「心が痛む、という感覚を忘れてはいけない」(田嶋正雄)