開会中の臨時国会は「カジノ解禁法案」を審議する予定だ。並行して県議会でもカジノ誘致をめぐり舌戦が繰り広げられている

▼同法案を提出した超党派の議員連盟は今国会中の成立を目指す。しかし拙速な手続きに国民が置き去りにされているようで気になる

▼4日那覇市内であった沖縄カジノ問題シンポジウム。報告されたカジノ導入国や地域の取材映像、各国を視察した弁護士の講演で分かるのは、カジノは社会やそこに住む人々の暮らしを根本から変えてしまうということだ

▼早くからカジノを合法化したマカオは今や税収の7割がカジノによる。息子がカジノで働く地元男性は「マカオの人は誰でもカジノと関わりがある」。商店を営む女性は「税収が良くなり年金がもらえるのはいい」と話していた

▼一方、前述の男性は「失業率は下がったが、子どもが勉強しなくなり、高校を出るとみなカジノで働くようになった」。商店の女性は「カジノ以外の商売はさっぱり。物価は高くなり、以前は買えたマンションが今は共働きでも手が届かない」とため息をつく

▼別の住民は風俗産業との密接な関わりに眉をひそめる。カジノ観光でホテルが建ち並ぶマカオだが「修学旅行生を泊められるホテルはない」。私たちの生活を大きく変えるカジノ。慎重な議論が必要だ。(黒島美奈子)