【崎原朝一通信員】沖縄県人連合会が所有する運動場うるま園の正門の落成式と高さ2メートルのシーサー一対の除幕式がこのほどあった。沖縄から招かれたシーサーの制作者、金城実さん夫妻、来賓としてアルゼンチン訪問中の土屋品子厚生労働副大臣(当時)や水上正史大使、武田浩幸国際協力機構所長、生垣彬日系団体連合会会長はじめ、県人連合会役員、多くの会員が参加し、催しを盛り上げた。

守礼門をモチーフにした正門に設置された金城実さん制作のシーサー=8月10日、ブエノスアイレス市郊外のうるま園

 屋宜宣順会長は「運動場購入45周年記念事業の一環として有志の多大なるご協力を得て、素晴らしいものが完成した。また母県沖縄の著名な彫刻家の金城実様の力作、シーサーの寄贈も頂き、感謝の念でいっぱいだ。こうして沖縄の魔よけ、守り神のシンボルがこのうるま園に設置されたことで、われわれのアイデンティティーは永遠に引き継がれる」とあいさつ。

 仲村実好建設委員長は「正門の老朽化に伴い今回、首里城の守礼門をモチーフにして建てた」と沖縄の文化継承の思いを語った。

 水上大使は祝辞で、「アルゼンチン国民の日本、日本人に対する親愛感をたびたび経験している。これも多分に沖縄県人の寄与するところが大きい」と締めくくった。

 最後に彫刻家金城さんが「戦争のたびに、翻弄(ほんろう)されているのが沖縄の歴史。だから暗く、厳しい(心の)痛みと、喜びと悲しみを高さ2メートル、幅80センチのシーサーに込めた」と述べた。

 この後、除幕式につづいて野村流音楽協会支部員による奉納の演奏。荘厳で、しっとりとした三線の音色が冬の木立の間に流れた。さらに「かぎやで風」、琉球国祭り太鼓グループによる演奏、松林流赤嶺道場門下生による演武とつづいた。

 祝賀のアサード(焼き肉)が提供され、式典の緊張もとれて和やかな雰囲気の中、500人近い人たちが祝った。

 乾杯の音頭は新里孝徳相談役がとり、「ミートゥ(夫婦)シーサーも魔よけとしてにらみをきかせてくれる。県人のアルゼンチン移住100周年に思いをこめて金城先生に寄贈して頂いた芸術作品」と感謝。屋宜宣太郎元会長も「材料費、輸送費は連合会負担だが、制作は金城先生のボランティア。読谷村では村長も出席して完成祝いが行われた」と報告した。

 金城さん夫妻と実さんの叔母でアルゼンチン在住の西山本富美さん(86歳)に花束が贈られた。